JAあさひかわは十日、直売所のあさがお神楽店(神楽五ノ七)で、旭川おとな食堂への食材の贈呈式を行った。

 同JA営農企画部長の谷本守さんは「直売所でも課題だった食品ロスの解決策として、食材を子ども食堂などで使用してもらえないかと市に相談したところ、ワーカーズコープの今井さんを紹介いただきました。話し合いを重ね、お互い無理のない方法で進められるようにしました」と取り組みの経緯を話す。同JAが売れ残りそうな野菜をリストアップ。その中から、おとな食堂が必要な量を注文する、という流れだ。八月末から、本格的に野菜の提供がスタートしている。

 今年は同JAの新米が豊作となったこともあり、特別栽培米の「ゆめぴりか」と、道からYES!cleanの認証を受けた「ななつぼし」をそれぞれ二百五十㌔、計五百㌔を提供した。

 旭川おとな食堂は、市内十一カ所(二〇一九年三月末現在)のこども食堂をはじめ、プレーパークや学習支援など、子どもの居場所づくりを行う運営者のネットワーク組織。寄付された食材、子ども支援のノウハウの共有や、これから立ち上げる人のサポートなど、中間支援活動も行う。

 おとな食堂の事務局、ワーカーズコープの今井一貴さん(34)は、「食材の確保は、こども食堂だけでなく、どの団体にも必要で、課題の一つでもあります。主食となるコメは、これまで個人の生産者から提供いただいたり、自分たちで購入していました。このような寄付は初めてで、とてもありがたいです。子どもたちの支援に、有効活用していきたい」と感謝の言葉を述べた。
 ワーカーズコープはフードバンクも運営しており、拠点の多機能型事業所あーる(一ノ五)への食材の持ち込みも随時受け付けている(食材の種類や保管スペースの状況などにより、受け入れを控える場合もあるとのこと)。