2019年11月1日追加

金平茂紀さんのイラク取材の予定が変更になり、講演会と座談会への出席が可能になったとの連絡が、本人からありました。金平さんは「マスメディアと人権闘争」と題して講演します。また、座談会には、空知管内奈井江町の医師・方波見康雄さんも参加します。

また当日、劇団文化座の公演「アニマの海」で、作家・石牟礼礼子さん役を演じた女優・姫地実加さんもスペシャルゲストとして参加します。


 「いのちの尊厳へのたたかい」と題する講演会が十一月三日(日)午後二時から、新旭川地区センター(東六ノ四)大ホールで開かれます。旭川に公立夜間中学をつくる会(中島啓幸代表)の主催。

 第一部は二人が講演します。水俣・不知火海で漁師をしている緒方正人さんが「文明の病・水俣~チッソは私であった~」と題して、川村カ子トアイヌ記念館館長の川村シンリツエオリパックアイヌさんが「旭川・遺骨返還闘争史」と題して話します。

 緒方さんは、水俣市近くの芦北町女島の漁師で、毎日不知火海に船を出す生活を送っています。父親を水俣病で亡くし、自身も水俣病で、国やチッソを相手に裁判闘争をしていましたが、後に認定申請を取り下げました。チッソ水俣工場の正門横にムシロを敷いて座り込み、個人としてのチッソ社員と対話をしたり、かつての海や山を取り戻すために「本願の会」を作り、水銀混じりのヘドロが堆積する埋立地に野仏を祭ったり、手作りの木造帆船で東京までいく活動を続けています。著書に「チッソは私であった」(葦書房)などがあります。

 川村さんは市内北門町にある川村カ子トアイヌ記念館の館長です。同館はアイヌ民族文化の保護・伝承を目的に、川村カ子トの父の川村イタキシロマが一九一六年に設立した私設資料館です。川村さんが会長を務める旭川アイヌ協議会は二〇一七年、北海道大学を相手取り、同大が保管しているアイヌの遺骨二体と副葬品の返還、慰謝料三百万円の支払いを求める訴訟を旭川地裁に起しました。翌一八年、同大から遺骨と副葬品を返還することで和解が成立しています。

 当初は、旭川出身でTBS「報道特集」キャスター・金平茂紀さんが「マスメディアと人権闘争」をテーマに講演する予定でしたが、急きょ米国と緊迫の度を増しているイランへの取材が入り、講演は不可能になりました。そのため十月十八日に来旭し、西川将人市長といじめなどについて、知里幸恵の碑の前でアイヌについて、旭川への思いなどを語るビデオを撮影しました。録画ビデオは第二部終了後に上映します。

 第二部は緒方さんと川村さんが「主権在民~アイヌ・水俣・沖縄~小さないのちからの叫び!」をテーマに対談します。午後四時半ごろ終了の予定です。

 参加費は三千円。当日受け付けます。事前申し込みは不要です。定員は先着百五十人。

 問い合わせは、同会の高橋さん(TEL080―3603―2451)へ。

「住井すゑ・石牟礼道子」展

 また、つくる会は「住井すゑ・石牟礼道子の軌跡~『橋のない川』六十年&『苦界浄土』五十年記念展」を十一月一日(金)から七日(木)まで、こども冨貴ギャラリーKIDS(七条買物公園)で開きます。いちばん弱い人たちの立場で書いた、二人の作家の遺品を集めたものです。

 住井さんが愛用していたちゃんちゃんこや直筆原稿、石牟礼さんが普段使っていた手鏡や直筆の手紙・書・原稿など五十四点を展示します。

 午前十一時から午後五時まで。

 問い合わせは、こども冨貴堂(TEL25―3169)へ。