元国税庁長官の大武健一郎さん(ベトナム簿記普及推進協議会理事長)が塾頭を務める「大武アジア塾」の二十二回目の勉強会が一日、ホテルOMO7旭川(六ノ九)で開かれた。主に市内の若手経済人らを対象に、東南アジア情勢に精通している大武さんに学ぼうと定期的に開催している。旭川しんきん地域振興基金(原田直彦理事長)の主催。

 約二十人が参加した今回のテーマは、「日本のマスコミが書かない世界の真実」。大武さんは歴史的な観点から見た、中国やアメリカ、ロシア、インドネシア、ベトナム、カンボジア、北朝鮮、韓国、台湾などの国々の関係などについて解説した。

 大武さんは「ヨーロッパの国々は都市国家。中国はそれとは異質な国。アメとムチで抑え込む政策を続ける。民主主義は成立しないとみる。アメリカの建国は一七七六年で長い歴史を持たない国。色んな民族が集まっており、愛国心を基本にしている。ロシアは第二次世界大戦で国民の七人に一人が死んでいるため、軍の強化が最優先事項」などと話した。

 ベトナムと北朝鮮について、「北部ベトナムは歴史的に中国の侵略を受けており、中国を脅威としている。中国はかつて北朝鮮を自国の一部としていたことから、今もその意識に大きな差はない」と説明した。

 大武さんは「歴史的な観点から国々の関係を見ないと、分からないことが多い。マスコミの言っていることを鵜呑みにしてはならない」とアドバイスした。