「彫刻の街あさひかわ 新田正二写真展」がカフェ花みずき(市内二ノ三)で開催中だ。

 市内のあちこちに設置されている野外彫刻の「顔」に焦点をあてたユニークな写真を撮影した新田さん(65)は、元市職員。二〇一四年に定年退職した後、散歩の途中で目にする彫刻に魅かれた。

 それまでは時々スナップ写真を撮る程度だったが、ミラーレスの一眼レフを買い込み、二〇一五年から二〇一六年にかけて、市内の約百点の野外彫刻を撮影した。

 野外彫刻を巡ってカメラを向けていると、四季折々、また天候によって、像の表情が違って見えると感じた。そこで新田さんは、人物像の顔に焦点をあてて撮ってみようと思い立った。

 二〇一七年の夏、自転車や徒歩で、人物像の顔を撮影して回った。今展では、その中から二十三点を展示している。「カラーで撮ったのですが、モノクロに焼いてみると、表情が際立つような気がしたんです。四十年、五十年と写真をやっている人にはかないません。初心者の自分はただシャッターを切っているだけですが、偏屈な自分らしい表現かなと思います」と笑顔の新田さん。

 その一点、七条緑道にある「母子像」の写真からは、肩に乗せた子どもを見つめる母親の慈愛に満ちたまなざしと、幸福感にあふれる子どもの表情が捉えられて、作品の新たな一面を発見できた気分にさせられる。

 二十三日(土)まで。カフェ花みずきは午前十時から、午後六時。最終日は午後四時まで。