「遺族を通して遺品として届いた数種類の茶道具や美術図鑑などを希望する学校や教育機関、市民団体に寄贈したい」と、「きた北海道・遺贈寄付のひろば(いぞうひろば)」の事務局・佐藤綾乃さんが呼び掛けている。

 「いぞうひろば」は昨年十二月、遺贈寄付の推進・啓発と、遺贈寄付されたものの地域活用を目的に設立され、活動している任意団体。遺贈とは、遺言で財産を他人に無償で譲渡すること。メンバーは旭川を中心に、弁護士や行政書士、自治体・NPO法人関係者など約二十人。

 今回届いた遺品は、道北のある市で生活していた夫婦の遺品。旭川在住の子どもが「故人の思いや遺されたものをより良い形で地域の中で活用できないか」とメンバーの弁護士に相談し、学校等への募集へとつながった。茶道具は裏千家の道具一式で、美術図鑑は古今東西の著名な画家の全集。

 佐藤さんは「最近は災害支援のための義援金などを日常的に目にするようになりました。今回、『譲り受けたい』という学校等がありましたら、これをきっかけとして、身近な寄付について考えたり、寄付による社会参加について学ぶワークショップを行いたいと考えています」と話す。

 申し込みと問い合わせは、「いぞうひろば」の佐藤さん(TEL070―5610―9208、メール izohiroba@ahk.jp)へ。