第二十一回三浦綾子作文賞の表彰式が十一日、三浦綾子記念文学館(神楽七ノ八)で行われた。

 自由作文部門に百二十七編、課題図書部門に三十七編、計百六十四編の応募が道内外からあり、昨年十二月の最終選考委員会で受賞作品が決定した。各部門の「最優秀賞」、「優秀賞」、「学校特別賞」のほか、今回から三浦綾子作品にゆかりの上富良野町と和寒町が共催に加わり、「上富良野町賞」と「和寒町賞」が新設された。

 自由作文部門では、「自分を信じる心がかなでるハーモニー 『今日からは、あなたの盲導犬』を読んで」を書いた、波多美理愛(みりあ)ちゃん(東京・白百合学園小三年)が、昨年の優秀賞に続き、最優秀賞に輝いた。「独自の体験を交え、自分の言葉を使い、読む人を惹きつける見事な感想文」と評価された。

 課題図書部門では、「私の道」(課題図書『道ありき』)を書いた、豊田花奈(かな)さん(東京・女子学院中三年)が最優秀賞を受賞。「課題図書に真っすぐ向き合い、本質を見抜く曇りのない目が際立っていた」と評価を受けた。

 同館の田中綾館長は「ここ数年の作品は、一人ひとりの肉声が感じられます。文章を書くことは自己表現。自分と向き合いながら書く中で、新たな自分が発見できたのではないでしょうか」と受賞者に語りかけた。

 選考委員の道教育大・大橋賢一教授は講評の中で、「多様なものの見方ができるように、これからも多くの本を読んで、自分の考えを文章にまとめ続けて下さい」と話した。

 また式の中では、同賞第一回目から審査員を務め、昨年六月に他界した片山晴夫さん(道教育大名誉教授)に黙とうが捧げられた。

 受賞者と作品名は次のとおり。

 ▽自由作文部門・優秀賞/市川莉子(りこ、立命館慶祥中三年)「私の弟」▽課題図書部門・優秀賞/橋本心寧(ここね、道教育大附属旭川中二年)「母」(課題図書『母』)、金光詩浦(しほ、京都・京都女子高二年)「『氷点』と自殺」(課題図書『氷点』)▽上富良野町賞/日下晴斗(はると、宮城・角田市立北郷小四年)「びっくりぎょう天、ハチごはん」▽和寒町賞/宮島梧子(ここ、東京・女子学院高二年)「犠牲の意義」(課題図書『塩狩峠』)▽学校特別賞/立命館慶祥中、道教育大附属函館中、道教育大附属旭川中(敬称略)