近藤染工場(一ノ三)が鳥獣戯画をモチーフにしたオリジナルの手ぬぐいを制作した。デザインは、あさひかわ新聞との共同企画「くいしんぼうカレンダー」の絵を描いている、あべ路子さん。

 あべさんによると、近藤染工場の専務・阿部安弘さん(58)の妻の恵子さんが企画し、あべさんが絵を担当した。恵子さんは、手ぬぐいの完成を見ることなく二〇一八年十二月、肺ガンのため五十七歳で亡くなっている。

 絵巻物・鳥獣戯画の「近藤染工場版」は、サルとカエルとウサギが、大漁旗の下絵を描いている場面から始まり、糊おき、染め、水洗い、縫製などの作業をする姿や、工場やお店の様子・光景が表現されている。藍一色のシンプルなデザインだ。

 あべさんは十四年前から、近藤染工場が毎年つくる「干支手ぬぐい」のデザイン画を描いている。阿部専務・恵子さん夫妻とは、東海大学旭川キャンパスの同窓生の関係で、プライベートでも親交が深い。

 「恵子さんとは、干支手ぬぐいの仕事がきっかけで仲良くさせていただきました。恵子さんの発案で著作権フリーの鳥獣戯画の手ぬぐいの制作を考え始めたのは、今から五年ほど前のこと。ようやく完成したよと、阿部専務が届けてくれたとき、恵子さんが生き返ったような気持ちになって、涙がでそうになりました」とあべさん。

 手ぬぐい「近藤染工場×鳥獣戯画」は、千円(税別)で、同社(TEL22―2255)の売店だけで販売している。