東海大学名誉教授で版画家の荒井善則さんの個展「呼応する版の気」が三日から、東川町の複合交流施設・せんとぴゅあⅠ内の文化ギャラリーで開かれている。

 荒井さんは一九四九年、長野市生まれ。東海大学旭川キャンパスで教鞭をとるかたわら、旭川を拠点に創作活動を続けた。特に、韓国をはじめ、中国や台湾の作家と交流し、ソウルプリントアドベンチャー展(一九八七年・韓国国立現代美術館)、済州島―北海道(一九九二年・札幌大同ギャラリー)、台湾―日本―韓国国際版画交流展(二〇〇二年・韓国玉果美術館)など数多くのグループ展の企画、開催に力を尽くした。

 個展は二年半ぶり。新作十九点を中心に、立体作品を含めて四十一点を展示している。作品の多くは、シルクスクリーンとモノタイプを併用した、“一点もの”だ。荒井さんが「私の三原色」と呼ぶ、赤、緑、黄を自在に配した“荒井ワールド”が、ギャラリーの白い壁や天井に映える。

 コロナ禍で来場者が多くないだろうという予想に反して、五日に開かれたオープニングパーティーには、約五十人が集まった。ギャラリートークで、荒井さんは「昨年、アトリエを整理し、身軽になりました。気持ちが新鮮になり、そんな展覧会になりました」とユーモアを交えて話した。

 観覧無料。二十六日(日)まで。