餃子酒場「やをら」(春光三ノ九)が、コロナ禍による休業などでアルバイトができず、収入が減った学生らに、「出世払い」で食事を提供している。

 提供するのは、同店のテイクアウトメニューにある「餃子オンザライス」(五百円)。自慢の餃子六個がご飯の上に載ったもので、学生は店頭に行くと受け取れる。

 同社代表の大野辰之伸(たつのしん)さん(27)は、「道外の飲食店で、このような取り組みをしているという情報を聞いて、すぐに始めました。私の店で働いていた高校生も今春、大学に進学しましたが、この状況で『何もできずに困っている』という声も実際に聞いていたので」と動機を話す。情報公開後は、SNSで知った学生らが連日お店を訪れているそうだ。

 また、この取り組みを応援してくれる大人も多く、「『これも学生に持たせてあげて』と言って、おコメやお茶、釣った魚なんかも持って来てくれます。そのような心遣いもたくさんいただいて、本当に嬉しいですね」と大野さん。学生への無料提供は、六月も「コロナ」の状況を見ながら継続するという。

 大野さんは「今回このような状況になって、自分たちの餃子の販路を、全国へ広げていく必要もあると考えるようになりました」と話し、今後は店内での飲食だけにこだわらず、ネットショップも開設して、販路拡大にも注力していくという。

 無料提供は、一日十五食ほど。電話(TEL73―9011)やメール(yawora0929@gmail.com)、SNSなどで事前に連絡をすると、スムーズに受け取れる。

 営業時間は、午後五時半~午前零時(午後十一時半ラストオーダー)。不定休。