岩田道夫著『ファおじさん物語』の「春と夏」(千八百円・税別)「秋と冬」(二千円・同)=写真=の二冊が東京の出版社・未知谷(千代田区)から続けて出版された。

 岩田さんは一九五六年、網走市生まれ。北大理学部を卒業目前に中退。以後、創作に専念し、絵画や詩、童話を制作した。童話作家・佐藤さとるさんに師事。八九年に札幌から旭川に居を移し、旭川の自然を題材とした創作活動を展開した。九二年、童話集『雲の教室』(国土社)で日本児童文芸家協会新人賞を受賞。九六年、旭川の嵐山を描いた詩画集『チノミシリ』を出版。二〇一四年七月心臓発作のため急逝した。岩田さんが残した多くの作品の中から、未知谷がこれまで『イート・ノームと森の仲間たち』、ふくふくふく絵本シリーズの『水たまり』『影の散歩』『不思議の犬』の計四冊を出版している。

 『ファおじさん物語』は岩田さんが三十歳の時の作品。登場人物は、レ(小学生の男の子)、ラ(レの姉、中学生)、ファ(レとラの叔父)、ミ(レのクラスメイトの女の子)、ル(青い小鳥)の四人と一羽。何気ない日常生活の中に「おや?」と思う不思議なことが…。一篇一篇を読み続けていくうちに、緩やかな流れの時間の中に身を置いていることに気づき、暖かい気持ちになるはずです。

 「春と夏」は二十篇、「秋と冬」は十八篇から成る。挿絵も岩田さんが描いている。

 ジュンク堂書店旭川店(一条買物公園フィール五階)、こども冨貴堂(七条買物公園)で販売中。岩田道夫私設ギャラリー・ミクロコスモスからも、郵送により購入可能。申し込みは、メール kazukomurata0718@gmail.comで。