「新型コロナ」の影響で今年度の夏期開園を延期していた旭山動物園が一日、約一カ月遅れで開園した。

 この日を心待ちにしていた市民ら七百五十六人が訪れ、久しぶりの動物との触れ合いを楽しんだ。

 今シーズンの新たな取り組みとして、入園券が全国のセブンイレブンやローソンなどで事前に購入できるようになった。そのほか、園内売店のプラスチック製レジ袋の無償提供を廃止、パンフレットを道産間伐材紙に変更するなど、環境を意識した取り組みにも力を入れている。

 また、今年の一~三月にアムールトラやカバ、ワオキツネザル、ゴマフアザラシの赤ちゃんが生まれており、その成長も見どころだ。

 娘と孫と一緒に来園した市内在住の吉本園子さん(60)は、「閉園している間は、動物園が配信する動画を見て楽しんでいました。実物のトラの赤ちゃんは、本当にかわいい。これから見るカバの赤ちゃんも楽しみです」と開園を喜んだ。

 ようやく夏期開園を迎えた同園の坂東元・園長は、「人に見てもらってこそ動物園なので、ようやく本来の姿に戻ってきました。動物たちも見られることで刺激になり、時間のリズムを取り戻していくと思います。来園する人が動物たちを見て、元気になったり、心を落ち着けてもらえたら」と話した。

 開園時間は、午前九時半~午後五時十五分(十月十六日~十一月三日は午後四時半まで、最終入園はともに同四時まで)。