常磐公園内の旧天文台の建物に落書きされた大きな文字が五日、塗装されてきれいになった。ボランティアで作業を買って出たのは、市内二十四の塗装業者でつくる旭川塗装親睦一親会(木村敏信会長)だ。

 六月十一日早朝、建物の千鳥ヶ池側の壁一面に青色スプレーで落書きされているのを公園を訪れた人が発見。建物を管理する博物館が警察に被害届を出し、外壁をブルーシートで覆っていた。

 あさひかわ新聞の報道で落書きを知った市議会の安田佳正議長が懇意にしている業者に事情を話したところ、一親会が塗装してくれることになった。

 木村会長は「毎年春、公園や学校の遊具の塗り替えのボランティアをしていますが、今年はコロナの影響で行うことができませんでした。その代わりという訳ではありませんが、困っていると思い協力を申し出ました」と話す。

 この日参加したのは会員八人。まず、塗料を密着させる溶液を塗り、その上から二回上塗りすると、文字はきれいに消えた。また、計器を覆っている鉄板製のカバーなどが錆びていたため、作業途中でペンキを持ち込んで塗り直した。ペンキが乾くまでの時間を取りながらの作業で、午前九時から始まった作業は昼頃までかかった。

 博物館で天文台を担当する近藤祐司さんは「旧天文台は常磐公園のシンボル的な存在なので、きれいにしていただき本当にありがたい」と会員の仕事ぶりに見入っていた。

 館長の吉田哲也さんも「落書き部分だけでも自分たち職員でペンキを塗ろうか、とも話していました。こんなに見違えるようにきれいにしていただき感謝しています」と話した。