旭川市消防本部は九日、住宅火災を迅速な初期消火により最小限に食い止めたとして、会社員の宮岸幹さん(37)に表彰状を贈った。

 宮岸さんは、六月十三日、通りかかった住宅から漂う煙と臭いに気が付き、火の手が上がっていた住宅併設のウッドデッキに道路向かいの漫画喫茶店から消火器を借りて放射し、さらに水道ホースから放水して、消防隊が到着する前に火を消し止めた。

 当時、風が強く、ウッドデッキで使った後そのまま置かれていた七輪が倒れ、こぼれた炭火から火が燃え広がった。家人は出火当時二階で寝ていたという。

 中農潔消防長は「発見が遅れると人命にかかわる火災となっていました。機転を効かせた消火活動で、家人の命と財産を守っていただいたことに、心より感謝したい。本当にありがとうございました」と讃えた。

 宮岸さんは「最初はゴミを燃やしているのかと思ったので、正直驚きました。一緒にいた妻に漫画喫茶に消火器を取りに行ってもらって、消火器と放水で消火しました。初期に火災を食いとめられて良かったです」と振り返った。