「アーティスト・イン・レジデンスあさひかわ(AIRA)」が十月、野村設計倉庫(市内宮下通十九)で、インスタレーション作家・東春予さん(25)のオープンアトリエや成果展などのイベントを開催した。

 AIRAは、国内外のアーティストを招へいし、彼らの創作活動支援をするほか、市内の芸術文化振興などを目指すプロジェクト。

 東さんは、漫画を用いて空間を創作するのが表現スタイル。漫画は、楽曲をもとに描かれ、その曲を聴きながら見ることによって、その作品が完成する。

 自身の作品について東さんは、「楽曲の音やリズム、ストーリーなどを、コマ割りやレイアウトで視覚化しています。音楽は時間の流れとともに音が消えていく『瞬間』の連続です。その瞬間を、漫画のコマという装置で保護することで、時間軸のない『永遠』のものとして保たれます」と説明する。

 今回完成した作品は、同倉庫の壁に黒のマーカーで直接描いた大型のもので、制作過程では実際にその様子を間近で見られるオープンアトリエも開催。来場者は、東さんが創作する工程や真剣に絵を描く様子に見入っていた。

 東さんは一カ月の滞在期間を振り返り、「運営のみなさんにとてもお世話になり、充実した時間を過ごせて感謝しています。滞在中に在旭ミュージシャンとのいい出会いもあり、また来年も来て、次は一緒に作品をつくろうと約束しました」と笑顔で話した。 (東寛樹)