旭川龍谷高校の生徒会(帯川明日香会長)は、昨年秋に大規模火災で正殿などが焼失した沖縄・首里城の再建に向けた募金活動を九、十月の二カ月間にわって行った。昨年に続いての活動。今年はコロナ禍で校内だけで行ったが、その活動の様子が琉球放送の報道番組で紹介され、沖縄県民から感謝のメールが学校に届いた。

 同校は修学旅行で毎年、沖縄・首里城を見学する。昨年十月、生徒たちが首里城を訪れた翌日の未明に火災が発生した。帰旭してから見学した生徒を中心に「再建に向けて協力したい」と声が上がり、募金活動が始まった。

 昨年はスーパーマーケットの店頭に立って募金を呼び掛けたが今年は叶わなかった。校内に首里城の焼失の前と後の写真をデザインしたポスターを掲示し、休み時間に生徒会のメンバーが募金箱を手に全十八クラスを回った。

 集まった約五万円の募金は、修学旅行で沖縄を訪れる時に届ける予定だった。しかし、コロナ禍で沖縄への修学旅行は行われなかったため、やむなく沖縄県庁に振り込んだ。また、生徒会の七人が首里城と募金活動の思いを語った「沖縄の方々へ」というビデオメッセージも添えて送った。

 そんな龍谷高の活動を知った琉球放送が番組で取り上げようと、生徒たちが募金活動を始めた切っ掛けや首里城への思いなどをリモートでインタビュー。活動の様子を撮影した写真と動画をまじえて紹介した。

 十月三十一日に放送された番組を見た沖縄の視聴者から、その日のうちに学校あてに「遠く離れた北海道からの活動にとても感動しました。本当に本当にありがとうございます。これから寒さが厳しくなりますが、風邪をひかないようご自愛ください。またの来沖をお待ちしています」と感謝のメールが寄せられたという。

 昨年、焼失前の首里城を見学した帯川会長(三年)は「今年も募金を続けて良かった。校外でやれなかったのは心残りですが、県民の方の反応があって嬉しかった。今後も復興するまで継続してほしい」と後輩たちに活動を託す。

 生徒会の末澤咲書記長(二年)は「ポスターを見て、みんなが協力してくれました。県民の方に声が伝わったことも嬉しかった。将来、復興した首里城を見学したいです」と笑顔で話した。(佐藤敦彦)