経営に役立つ「決算書の読み方セミナー」が十一月十九日、大雪クリスタルホール(神楽三ノ七)で行われた。ふたば税理士法人(神楽二ノ七)の主催。同法人グループリーダーの落合秀樹さんが講師を務め、若手経営者や経理担当者など十六人が参加した。

 落合さんは、会社の財政状態を表す「貸借対照表」について、要注意のパターンをいくつか示すなどして、基本的な見方を教えた。

 そのほか、損益計算書上では利益が出ているにもかかわらず、会社に現金がなく苦しい事例がよくあることを説明。落合さんは「損益計算書の利益は、必ずしも現金預金の入金や支払から計算されるわけではないため、純利益に現金預金の裏づけがあるとは限りません。現金預金が足りなくなったら会社存続の危機です」と解説した。

 最後に落合さんは「損益計算書や貸借対照表だけをよく見せる方法もありますが、その『ひずみ』は必ずどこかの決算書に現れます。決算書を良く見せるのではなく、正確な決算書から会社の実態を把握し、より正しい意思決定を行い、経営そのものを良くすることが重要です」と締めくくった。(東寛樹)