髙砂酒造(宮下十七)が十二月二十六日、美瑛町美馬牛の山中で、搾り立ての原酒をタンクに入れたまま貯蔵する雪囲い作業を行った。

 雪の中に埋めたのは、高さ三㍍、直径二㍍の七㌔㍑タンク二本。十人の蔵人が半日かけて作業をした。

 それぞれのタンクには、北海道産の酒造好適米・吟風(ぎんぷう)を使った「純米吟醸酒 大雪 雪中貯蔵」と、同じく彗星(すいせい)で仕込んだ「純米酒 大雪 雪中貯蔵 」の二種類が詰められた。貯蔵タンク全体を雪で覆うことで、タンク内の温度をマイナス二度前後に保ちながら長期低温熟成が進み、搾りたてのやや荒々しい酒質がまろやかに仕上がるという。

 森本良久杜氏は「今のところ例年通り新酒らしい爽やかな香りとキレのある味わいの良い酒になっています。熟成を経てさらに美味い酒になってくれると思います」と願いを込めた。

 貯蔵した酒は、三月中に掘り出して瓶詰めし、四月から五月にかけて店頭に並ぶ予定だ。(工藤森)