旭川農業高校(永山町十四)森林科学科の生徒が開発した木のおもちゃ「音を奏でるスロープトイ」が、道立旭川美術館(常磐公園内)の特別展「『木』と『あそび』美術館」で展示されている。

 同科では、幼稚園での「木育教室」や、地域イベントでのワークショップなど、地元の子どもたちが森林や地場産業について理解を深めるための活動を行っている。その中で「球を入れるだけでメロディを奏でる木のおもちゃがあれば、もっと気軽に木に親しんでもらえる」と考え、二年前からスロープトイの開発に取り組んでいる。

同校オリジナルのスロープトイは、誰でも使いやすい“アクセシブルデザイン”を目指している。開発の過程では、幼稚園や幼児がいる家族に一定期間貸し出して実際に遊んでもらい、そこから出てきた意見をもとに改良を重ねてきたという。

 これまでの作品は、大型で高さのあるものが多いが、第七弾はその中で唯一小型の第五弾をベースに改良。旭山動物園のレッサーパンダのつり橋をイメージして製作した。一~三歳児が座って遊べるように本体の高さを低くしたほか、木球の投入口の形状をわかりやすくするなど工夫されている。

 浦和大学主催のおもちゃコンテストで、二年連続で最優秀賞を受賞したほか、昨年、最優秀賞を獲得した日本学校農業クラブの全道実績発表大会への出場を決めるなど、外部からの評価も高い。また、旭山動物園の坂東元園長からも高く評価されていて、来月中までに動物園内の施設に設置される予定だという。

 鈴木遥菜さん(二年)は「音階の調整が大変でしたが、完璧な作品が出来たと思います。今後は私たちが主体となり、さらに遊びやすさを追求した作品をつくっていきたい。次も動物園ネタにしようと考えています」と笑顔で話す。

 また、展示期間中の二月二十七日(土)には、同校の生徒が講師となり、木琴づくりのワークショップを開催する。鍵盤を紙やすりで削ったり、絵の具で絵を描いたりして、世界に一つだけの木琴をつくる。狗飼(いぬがい)海斗さん(二年)は「子どもたちが実際に遊び、喜んでいる姿を見られるのが楽しみ」と期待を膨らませる。

 ワークショップは、①午前十時~、②午後二時~の二回(各回六十分)同じ内容で行われ、定員は各回十人程度。参加無料だが、観覧料(大人八百円、高大生五百円、小中生三百円)が必要。

 同展は三月三十一日(水)まで。開館時間は午前九時半~午後五時。月曜休館。

 問い合わせは同館(TEL25―2577)へ。(東寛樹)