旭川東高校二年の生徒七人が、同校が行う探究型課外活動「旭東アカデメイア」の一環として、「ユネスコ創造都市ネットワーク」をテーマにした探求活動に取り組んでいる。

 創造都市ネットワークは、映画、デザイン、工芸、メディアアート、音楽、食文化、文学の七分野に分類して、世界の都市をそれぞれ認定。旭川市は二〇一九年十月、デザインの分野で加盟が認定された。グループリーダーの川村未来(みき)さん(17)は「スタート時は、旭川がデザイン都市に認定されたということをメンバー全員が知りませんでした」と振り返る。

 活動の中で、あさひかわ創造都市推進協議会の渡辺直行会長(カンディハウス会長)や、旭川出身のデザイナー・安食真さんなどの話を聞いて、デザインの本質について学ぶほか、映画分野で同ネットワークに加盟している山形市・山形東高校主催の「ユネスコ創造都市高校生サミット」にも参加した。サミットでは、名古屋市(愛知・デザイン)、丹波篠山市(兵庫・クラフト&フォークアート)、鶴岡市(山形・食文化)など、ほかの創造都市の高校生たちと交流。意見交換や、各都市それぞれの強みを生かしたコラボ企画の考案、参加都市の動画制作なども行ったという。

 生徒たちは探求を進める中で、デザインを「人のために別視点で問題を解決する思考過程」と自分たちなりに定義した。川村さんは「始めのうちは『デザイン』と聞くと、物の柄など物質的なものをイメージしていましたが、いろいろな方の話を聞いて、人が快適に過ごすために考えられていることだと知りました。会社でもデザイン経営が求められているように、学校でも副教科のような形で『デザイン』をみんなが学べるようになればいいと思います」と話す。

 同校進路指導部の松井恵一教諭は「今回は彼女たちが探求活動の一環として取り組みましたが、今後も良い形で後輩たちに引き継がれていくといいですね」と期待を込めた。(東寛樹)