旭川市はコロナ禍で軽作業の受注が減っている就労継続支援事業所の障がい者の就労機会確保を目的に、生産活動活性化事業を進めている。

 同事業には、市内の約半数の二十九事業所が参加。市が事業所に布マスクの製作を依頼することで、生産活動を下支えする。ミシンを持っていない事業所には、ミシン購入費の補助も行う。

 布マスクは、絵本作家・あべ弘士さんが柄のデザインを手がけ、市内の近藤染工場(一ノ三)と水野染工場(大雪通三)の二社が生地の提供や染めを担う。その部材を使って各事業所で縫製し、マスクに仕上げられる。

 生地の柄は、草食動物(ピンク)、肉食動物(オレンジ)、ホッキョクグマ(ブルー)、オールスター(ホワイト)の四種類。完成したマスクは市がすべて買い取り、新学期が始まる四月から段階的に、市内の小学生全員に配付される。

 ピーシーズ(井上俊一理事長、市内八ノ八)が運営する事業所で働く男性職員は、「小学生がこのマスクを着けている姿を思い浮かべるとワクワクする。楽しみながら丁寧にマスクを作りたい」と笑顔で話す。

 市福祉保部障害福祉課の鷲塚清貴主査は、「小学生にも、地元に愛着を持ってもらえるような“旭川らしい”マスクになったと思います。特に新一年生には、このマスクを着けて学校生活を楽しんでもらえたら」と話した。 (東寛樹)