「アーティスト・イン・レジデンスあさひかわ(AIRA)」の招へいアーティスト、現代美術家・ウチダリナさん(31)が二十三日、旭川南高校を訪れ生徒たちと交流した。

 ウチダさんは、東京在住。二〇一六年、東京芸術大学大学院美術研究科工芸科染織専攻修了。国内外の様々なグループ展やアートフェアなどに出展している。

 交流会には同校の美術部などの一、二年生十人が参加。ウチダさんは自身の大学受験のエピソードなどを交えながら、「生のモノから得られる感覚は、デザインやモノづくりをするうえでとても重要な要素で、デジタル化する社会の中で疎かになっています。これから美術の道に進みたいと思っている人は特に、美術館などに足を運んで、生のモノをたくさん見て吸収するという時間を大事にしてほしい」とアドバイスした。

 またウチダさんは、和紙を用いて人体や蛾のモチーフを立体的に形作る自身の作品について、「絵の具を使って表現している人はたくさんいるので、自分は違う形で表現したいと考え、和紙をはんだごてで焦がして色を着けています。私は小さい頃からずっと身体に興味があり、透けているモノや骨などをテーマに作品をつくっていました。このように、自分の行動原理になる興味や執着は何なのかを探し続けることが、生きている意味でもあると思います。今のうちから自分の好きなことを記録して積み重ねていくといいかもしれません」と語った。

 交流会に参加した同校一年・升田美咲さん(16)は、「美術部に所属していませんが、広告やCMなどデザインの分野に興味があり今回参加しました。はんだごてで和紙を焦がして色を着けるという発想に驚きました」と笑顔で話した。

4月3日から成果展

 ウチダさんの滞在成果展が四月三日(土)、四日(日)の二日間、複合型ギャラリー・VKTR(ヴィクタ、市内一ノ四)で開かれる。

 時間は午後三時~同七時。入場無料。

 問い合わせはAIRA事務局(TEL080―7992―3084、メール airavktr@gmail.com)へ。(東寛樹)