詩人・評論家の大町桂月(一八六九―一九二五)が大雪山に登って百年になるのを記念する回顧展が、東川町複合交流施設せんとぴゅあⅡ(北町一)で開かれています。

 一九二一年、桂月は層雲峡から大雪山黒岳に登り、旭岳に縦走して、天人峡へ下り、松山温泉に宿泊しました。旭岳や天人峡・羽衣の滝の漢詩も作っています。

 層雲峡は、それまで霊山碧水と呼ばれていましたが、桂月が二三年、雑誌『中央公論』に「層雲峡より大雪山へ」と題した随筆を書いて以来、層雲峡の呼び名が一般的になりました。冒頭の「富士山に登って山嶽の高さを語れ 大雪山に登って山嶽の大(おおい)さを語れ」はよく知られている一節です。

 桂月の著書や関係する資料約二十点が展示されています。同町文化推進室大雪山ライブラリーの清水敏一さん(88)が収集したものです。清水さんの著書『大町桂月の大雪山』(北海道出版企画センター・二〇一〇年刊)もあります。

 六月十三日(日)まで。開館は午前九時から午後九時まで。期間中休館日なし。入場無料。(佐久間和久)