全国の清酒のラベルをお手本にした書の作品展が神楽公民館のギャラリーで開かれている。

 同館の書道サークル(古屋道義会長)は、毎週月曜日に集まって、中国の古典をお手本に臨書を学んでいる。会員は六十代から八十代の十二人。

 副会長の鈴木倫子さん(72)は両親の介護の息抜きにと書道を始めて十年、師範の腕前だ。「お酒のラベルは、有名な書家が書いている例が少なくありません。字体も篆書(てんしょ)から隷書、楷書、行書、草書まで様々で、デザイン的にも美しいんです。書を楽しく勉強するきっかけになるかなと思って」と話す。

 会場には、新潟の「七代目」や山口の「獺祭」、地元旭川の「高砂」、増毛の「国稀」など三十の清酒のラベルをお手本にした書が、小さな掛け軸に表装して展示されている。

 会長の古屋さんがインターネットで検索して「いいな」と思うものをピックアップした七十のラベルの中から、今回は鈴木さんと二人で三十点の作品に仕上げた。「四月には、会員十二人全員の作品を展示したい」と古屋さん。「それぞれの酒蔵の歴史を調べるのも楽しみの一つですね。好きなお酒を二倍楽しめます」と笑う。

 同展は三十日(日)までの午前八時四十五分から午後五時十五分まで。(工藤稔)