東神楽町の廃校を活用した「東神楽大学」プロジェクトを進める「アグリイノベーションデザイン」(東京)が現在、クラウドファンディングを行っている。

 昨年三月に廃校となった旧忠栄小学校(同町十九号南五番地)を同社が整備し、クリエイターカレッジ(アーティスト・イン・レジデンス)やシェアオフィス、コワーキングスペース、シェアキッチン、キャンプ場など、ビジネスや観光の拠点として活用するプロジェクトだ。昨年十月、同町が廃校後の校舎などを利活用する事業者をプロポーザル(企画提案)方式で募り、同社の企画が採用された。施設は、町が同社に十年間、月額十万円で賃貸する。

 同社代表取締役の脇坂真吏さん(38)は「地方になるほど、成長や人生の岐路に関わる『学び』の機会が、どうしても少なくなってしまいます。子どもに限らず、いろいろな人の成長のきっかけが与えられる場をつくりたいと考え、東神楽大学プロジェクトを企画しました。町内外にかかわらず、いろいろな人が関わり合うことで新しいつながりが生まれ、それぞれが成長し合える場所になれば」と、プロジェクトへの思いを語る。

 今回のクラウドファンディングでは、プロジェクトのメイン事業の一つ「クリエイターカレッジ」で国内外から来町したクリエイターの滞在拠点として、老朽化した教員住宅を改修するための費用を募っている。目標額は六百万円。

 脇坂さんは「クラウドファンディングは、クリエイターの滞在拠点の改修費はもちろん、この『東神楽大学』プロジェクトの取り組みを知ってもらう、という目的も大きいんです。スタートしてからはSNSでの反響がよく、道外に住む東神楽町出身の人からの反応もありました。今後も、できそうなことは何でも取り組んでいきたいと思っています」と意気込みを話す。

 クラウドファンディングは三月十五日(火)まで。オリジナルステッカーや、ひがしかぐらジャム、アスパラガスのほか、東神楽大学オリジナルキャンパスグッズ三点セット(パーカ・トートバッグ・ボールペン)など、全十八種のリターン品が用意されている。金額やリターン品などの詳細は、専用ページ(https://actnow.jp/project/higashikaguracollege/)で確認できる。

 今後は、四月から公式YouTubeチャンネルでセミナーなどの動画を順次配信していき、八月頃に本格的な“開校”を目指しているという。(東寛樹)