豊岡11ノ1
TEL 34-4423

 動物園通り沿いに緑の暖簾が目印の「手打ち蕎麦処いぶき」は九月にオープンしたばかり。本格手打ちそばのお店です。店主の木村俊廣さん(61)は昨年まで勤めていた会社のそば同好会で十六年間そば打ちを学び、定年退職をきっかけに開業を決意しました。店名の「いぶき」は春の息吹に由来するそうで、業界新人の自分がどんどん成長していくという意気込みの表れです。

 そば粉は和寒産を使用しています。以前和寒町で食べたそば店の味に魅せられたのがきっかけで、農協に掛け合い仕入れを実現しました。

 おすすめのメニューはわさびそば(七百五十円)=右写真。もりそばに山葵が添えられます。その山葵を食べる都度自分ですりおろしながら食べます。店側があらかじめすってしまうと香りが抜けるので、自分でするところにポイントがあるそうです。山葵の香りが食欲をどんどん呼び起し、香りを楽しみながら食べるシンプルながら贅沢な一品です。

 かしわそば(八百円)は器に大きなかしわが三切れ入っているボリュームたっぷりの一品。鶏は知床産鶏肉を使用し、冷凍ものは一切使わないこだわりのメニューです。ジューシーな鶏肉は柔らかくプリプリの感触です。

 店内はカウンター四席とテーブル席が二つと小上がり。そば打ちはご主人が、その日に必要な分だけを毎朝打ちます。「旭川と言えばラーメンだけど、それに負けないくらいのそば屋を目指します」と木村さん。ビジネスや家族でぜひ足を運んでみては。営業時間は午前十一時半から午後三時まで。毎週火曜定休日。       (取材・草嶋一介記者)

ケロコからひとこと

 おいしいお蕎麦屋さんを見つけました。新しいお店を見つけると、行かないわけにはいきません。ここも二回目、やっぱりおいしかった。私のお勧めは「わさびそば」。山葵を自分ですりおろすのがいいの。すっていると、目にツーンと来るのもいいですね。

 「かしわそば」も食べてみました。かしわがおいしい。最近おいしいかしわに、あまり出会わなかったからなお嬉しい。おそばを食べて、かしわを少しかじって、ネギも少し、そしてつゆをズズーッとすする。口の中の一体感がたまりません。

 そばつゆの加減も私好み。そして肝心のそばは、もちろんおいしい。御主人が本当にそば好きなのでしょう。思い出したらまた食べたくなって来た…。ぜひ行ってみて下さい。

2009年11月24日号掲載