3・4仲ノ6 ヨシタケ5号館4F
TEL22-3558

 夜九時を過ぎると、賑やかで何やら美味しい匂いがするスナックがあります。竹久夢二の掛け軸が飾られた和風の雰囲気をフッと消す、ママの「アンニョンハセヨ~」のご挨拶。

 ママの辻英心さんは韓国人です。流暢な日本語。イントネーションも完璧なので、全く気が付きません。日本に来て今年で三十九年。お店は、オープンして三年五カ月になりました。

 チャーム(二千円)に出てくるのは、ママのお手製キムチと、韓国海苔。この二品を一度食べると、どうしても行きたくなってしまうのです。

 「お腹が空いたなぁ」なんて言ったら、チヂミ、トッポギ、サムゲタン、韓国のインスタントラーメン――。出てくる出てくる。料理好きのママのハートに火を付けてしまいます。これが嬉しくてファンになる人が多いのです。

 「韓国人も来ますよ。『オモニ~(お母さん)』と言いながら」と英心さん。通訳をしてあげたり、ホームシックの人に故郷の家庭料理を出したりと、ここは、旭川と韓国を繋げている場所なのです。

 営業時間は午後七時半から午前零時まで。日曜・祝日定休。電話を入れれば美味しいものが待っているかも――。

 二月二十日はママの誕生日です。日曜日ですが営業していますよ。

(取材・那須日奈子)

ケロコからひとこと

 「アンニョンハセヨ~」と明るい声がドアを開けたとたん聞こえてきます。どうせ飲みに行くなら楽しい雰囲気で明るい気持ちで帰りたい。とはいえ、うるいさいわけではなく、ママの気遣いがあちこちに感じられます。

 私はここを「食堂スナック」と呼んでいます。料理好きのママの韓国料理が食べられ、お腹が空いたと言えばスッと何かが出てくるのです。

 この前のサムゲタンは最高でした。他の人はお腹がいっぱいだと言っていたのに――。土鍋があっという間に空になってしまいました。

 絶品はママの手作りキムチとカクテキ。これを食べたくなると、ついつい足が向いてしまいます。書いていたらまたまた食べたくなってきてしまった。今夜にでも行ってみようかなぁ。

2011年02月08日号掲載