旭川市神居3条20丁目 TEL61―8122

 神居にある広東料理の店「ジャスミンガーデン」にお邪魔しました。

 昨年七月のオープンから一年弱が経ちました。店主の杉野征顕さん(48)は大阪のホテルプラザや帝国ホテルなど日本を代表するホテルで修行を積んだシェフで、市内では珍しい広東料理を得意としています。

 広東は貿易が盛んな地域で、その代表ともいえるのが香港です。なにせ食材が豊富。海鮮、肉、野菜、乾物などあらゆる食材が用いられます。油をあまり使わないのも特徴のひとつだそうです。

 おすすめの一品「神居XO醤(じゃん)とエビの炒め」(八百八十円)=写真(左)=は、たっぷりのエビとブロッコリー、フクロタケ、クワイ、ギンナンなどの野菜を特製のXO醤で炒めた一皿。プリプリのエビの食感とそれぞれ違った歯ごたえの野菜が上品で芳醇なソースと絡み、口の中に広がります。

 XO醤は中国料理の中でも最高峰とされる調味料で、干し貝柱と金華ハム、干しエビ、数種の唐辛子とで作った大変手間が掛かった杉野さん自慢の調味料です。

 ランチタイムにはぜひ「シェフのおすすめランチ」(千五百円)をどうぞ。カニ入りフカヒレスープ、広東式海鮮のボイル、白身魚のチリソースの三品にライスが食べ放題。デザートに杏仁豆腐が付きます。

 「採算が合わないけどお客さんに喜んでもらえるなら」と笑顔で話す杉野さんです。

 ランチは十一時半から午後三時、ディナーは午後五時から午後九時半まで。第一、第三水曜定休。

(取材・草嶋一介記者)

ケロコのひとことメモ

 家の冷蔵庫の奥のほうにXO醤が入っている。忘れたくらい前に買って2、3回使ったのだが、以来使っていない。

 そのXO醤を、杉野シェフは手作りしているという。きっと「そんなにおいしくないんじゃないの」という顔を私はしたのだと思う。

 「少し食べてみますか」と言うから「はい」と答えた。小さな器にちょこんとのったそれを食べてみた。「なにこれ!」。私のイメージするXO醤とは全くの別物。旨味があり、おいしすぎて思わずご飯と一緒に食べたいと思った。

 作るのに一週間は掛かるらしい。こんな調味料を使っているお料理は、おいしいに決まっている。

2012年12月04日号掲載