4ノ6パリ街 ℡22-2282

 イタリアンの「ヴィーコロ」にお邪魔しました。五月にオープンしたばかりのお店です。

 オーナーシェフの小林彰さん(32)は、関東の出身。小さな子どもが二人いる四人家族。震災を機に、安心安全な食材が手に入る旭川に移住しました。「知り合いが居ない土地でゼロからのスタートです」とまっすぐ見つめる瞳。それだけで、真剣で美味しい料理が期待できます。

 初めてのお店は、前菜盛り合わせ(千円)から=左写真。一品ずつ丁寧に教えてもらいました。

 「中央は自家製ピクルス。時計回りに、サバの燻製のカナッペ、淡路直送のイサキのタルタル、ニンジンのマリネ、カモの自家製燻製、ラタトゥーユです」。

 ピクルス、あぁ美味しい。サバの燻製をアボカドと和えてパンにのせて、絶妙な味。燻製の香りが鼻からフーッと抜けて。生魚とキュウリをマスタードで味付けするとこんなに上品な味になるの。マリネもやさしい酸味。カモは最高に柔らかい。ラタトゥーユも濃厚美味――。

 もちろんパスタもなんとも言えない美味しさです=写真。

 旭川にまた一つ美味しいイタリアンのお店が誕生しました。

 「ぜひ次回は、本日のおまかせコースも食べてみてくださいね」と小林さん。「えっ、九品で三千五百円。安すぎませんか…」。まだまだ気になるメニューが沢山のお店でした。

 営業時間は午後五時半から翌午前四時まで。日曜定休。

(取材・那須日奈子)

ケロコのひとことメモ

 パリ街にこの前から気になっているお店があって、やっと行って来ました。私の第六感は素晴らしい。自画自賛です。

 お店の雰囲気も、オーナーシェフの感じも良いんです。

 ただここに来る前に一軒寄っていたので、お腹が…。でも美味しいものはスルスルと入るものですね。ラタトゥーユがすごい。私が作るのとは雲泥の差。とろけるパプリカの甘さに、ベルベットの舌触り。

 ベーコンとドライトマトのパスタも食べました。胸焼け中だと話すと「ドライではなくフレッシュトマトにしましょう」と変えてくれました。優しくマイルドで手間をかけた味。また、すぐに行きま~す。

2013年09月03日号掲載