江丹別町拓北111ノ6オサラッペ牧場内・TEL73―2333

 ようやく夏らしい日が続くようになってきました。「天気がいいし、ドライブね」と言うケロコさんと一緒に、本社から車を走らせること四十分。江丹別の「農家レストラン ゲストハウス・オサラッペ」さんにお邪魔しました。

 荒川信基さん・恵美子さんご夫婦が経営する「オサラッペ牧場」では全国的にも珍しい「短角牛」を飼育しています。ゲストハウス兼レストランは、農業体験や宿泊もできます。

 短角牛は将来消滅する可能性のある食材ということで、国際スローフード協会に「味の箱舟」として登録されている品種。道内ではここを含めて三軒でしか飼育されていないそうです。早速、「ビーフカレーセット」(千百三十円)をいただきます――。

 一口噛んで、ハッキリと違いがわかりました。カレーに負けない牛肉の香り、しっかりとした歯ごたえ、広がるうまみ。同じ牛肉でも、品種でここまで違うとは驚きです。家庭的な優しいルーの味にマッチして、近郊産の野菜一つひとつも新鮮でおいしい。

 ケロコさんと同時に「すごい香り!」と声をあげたのが、「焼肉セット」(千百三十円)。食べてさらに感動しました。脂肪が少ないのに繊維質の食感が心地よく、驚くほど柔らかい。肉本来の旨みがここぞとばかりに主張してきます。

 「ウチのウシは放牧でしっかりと運動させ、穀物飼料をほとんど使わずに、牧草をたっぷり与えた健康的なウシです。テレビでよく見るような霜降りの脂肪はありませんが、これが自然な姿の牛肉だと思っています。だから安心、安全でヘルシー、そしておいしいんです」と恵美子さん。手間暇かけてのびのびと育てたウシだからこそ、おいしく健康に食べてもらいたい、そんな愛情を感じるお肉でした。

 店内で肉の販売もしています。営業は四月から十月の金曜から月曜日。営業時間は午前十一時から午後四時まで。

(取材・太野垣陽介記者)

ケロコのひとことメモ

 行く時道に迷ったけど、ちょっとした旅行気分。着いたら可愛いポニーがお出迎え。ちょっと遠いですが、万難を排してでも食べに行く価値があります。

 「焼肉セット」は運ばれてきた時から既においしい肉の香り。この美味しさをどう表現すればいいのでしょう。肉の本当の美味しさはコレなんだ!というのが伝わって来ます。ソースもついていますが、塩だけで十分堪能できました。

 帰りに「しんたま」という部位を買い、家でも味わいました。「短角牛」、はまりました!

2015年07月21日号掲載