神楽3ノ4・TEL63-4800

 評判の焼肉屋さん「炭火焼肉屋 実兆(みっちょう)」さんにお邪魔しました。神楽五ノ十一から今年、中心部に近い現在の場所へ移転しました。今年で開店から十六年目だそうです。

 ニッコリ「いらっしゃい」と澤田仁志代表(61)。「安い、うまい、量が多くて、小さい子どもから大人まで楽しめる。いい肉をギリギリの価格設定で出してます」。メニューを見ると「塩ガツ」と「ホルモン」が三百九十九円、「サガリ」が四百九十三円(全て税抜)。「この、細かな一円単位が僕の努力賞みたいなもんです」と澤田さんは笑います。

 さて、一番人気の塩ガツとホルモンからいただきます。ジューッと焼いて、塩ガツから。コリッコリの食感と、噛むほどに口いっぱいに広がるうまみ。続いてホルモンは、とても柔らかく、奥から甘みがにじみ出てくる感じ。この二品、流通システムを工夫して、常に新鮮な品を仕入れているそう。「上ガツは繊細な味わいなので、一番最初に食べてもらいたいんです。と、僕が言っても、お客さん各々自由に注文されるんですけど…」。

 続いて「サガリ」。口に入れた瞬間、グッと来る塩味。柔らかな肉の味わい、うまみが、ご飯と相性ぴったり、幸せな気分…。

 「モトのモト」(三百十五円)は、「タンモト」のさらにモトの部分だそう。口に入れるとビックリ、柔らか~く独特の食感で、ジューシーだけど脂っ気がない。これは一度でヤミツキ、危険です。

 「トンタン」(五百九十八円)は、独特の食感とうまみ、噛むほどに味わい深い一品。上質なブタに当たらないと取れない、大きく鮮やかな赤色のタンを使用しているそうです。

 他にも珍しい「ひぞう」(二百九十四円)、つけダレ付の「生ラム肩ロース」、「牛中落カルビ」(ともに六百五十一円)もあります。漬け物からサラダまで、全て手作りしているそうです。

 結構食べる筆者でも、量が多い肉五種類とご飯で満腹。これで二千五百円ほど。「家族で来ても、お酒を入れなければ四、五千円くらい。儲けより『おいしい』って言われたら、お店をやって良かったと思うから、それでいいんです」と澤田さん。幸せいっぱい、お腹もいっぱい。これは何度でも来たくなりますよ――。

 火曜定休。営業時間は午後五時から十時まで(九時まで入店可、九時半ラストオーダー)。または無くなり次第終了。(取材・太野垣陽介記者)

ケロコのひとことメモ

  以前からずっと気になって、行ってみたかった焼肉屋さん。知り合いが週に3回ぐらい行っていた。その写真がおいしそうでおいしそうで…。

 「モトのモト」なんて初めて聞いた。コリコリとしているけどジューシー。「トンタン」の美しいこと。「サガリ」はいくらでも食べられます。そして「ホルモン」、今まで食べた中で一番かも。塩が絶妙。ずっと食べていたかった。
で、お会計。「えっ?」と言ってしまったほど安い。これなら週3回でも行けるね!

2016年09月20日号掲載