東光5ノ2・TEL33-9184

 多くの飲食店が並ぶ東光、道道294号線の通り。今日は「居酒屋 和册」さんにお邪魔しました。

 ちょっとレトロな和食居酒屋さん、といった店内。ところがメニューを見て「あれっ」。お刺身や天ぷらの他に、パスタやピザ、グラタンなど洋食が並んでいます。

 「こんな和風の店構えなので、よく驚かれるんです」と話すのは、店主の小野寺祐介さん(39)。市内のホテルやフレンチ、イタリアンのお店で洋食の腕を磨き、約十一年前に開業したそうです。

 早速、お料理をいただきます。「元祖オムライス」(七百円)は一見、普通のオムライスですが、切ってみると「元祖」の違いに気付きます。中の具とお米が、タマゴかけご飯のように混ざっていて、表面だけが固まっています。外はスッとやわらかな食感、中はタマゴの甘みがふんわりと広がります。シャキシャキのタマネギがアクセントとなり、奥深いシェフの味です。子どもは食べやすく、大人には本格的な味わいを感じられる逸品ですね。

 続いては「和册のビーフシチュー」(九百八十円)。箸で切れるやわらかさに感激。口に入れるとスルスルと肉がほどけ、濃縮されたうまみが広がります。やわらかさの秘密は、二日がかりで仕上げている牛バラ肉。脂身もくどさが抜け、深い味わいに変化しています。

 店名の由来は、小野寺さんの好きな「和む、和える」の「和」と、相性のいい漢字を姓名判断で付けたそうです。「子どもからお年寄りまで、みんなおいしく食べてもらうのが料理人の基本だと思います。住宅が多い地域ですから、家族連れでにぎわう店にしたかったんです」と小野寺さん。開業時からウワサ話で浸透していき、オープン当初から来ている常連さんや家族もいるそうです。

 ふと壁を見ると、珍しいレトルトカレーの箱がズラリ。「最初、一コだけなんとなく置いていたんですが、カレー好きだと勘違いされちゃって、常連さんたちがおみやげにご当地カレーを買ってきて下さるんです。今ではこんな数に…」と笑います。地域ならではの、温かな魅力を感じるお店です。

 火曜定休。午後五時から午前零時(十一時ラストオーダー)。(取材・太野垣陽介記者)

ケロコのひとことメモ

 私は漢字が好きだし、得意なんだけど、これ、読めなかった…。「冊」の旧字体らしい。中に入ったら居酒屋さん、メニューも居酒屋さん…と思ったら、違うのもあった。

 スパゲッティも、ピザも、本気のイタリアンの味でびっくり。ピザもちゃんと生地から作っている。シマアジのお刺身も新鮮で美味しかったし、特に気に入ったのはモッツァレラチーズの揚げだし。一口食べたらチーズが伸びる伸びる。どこまで伸びるか立ちあがっちゃったりして。

 リピート決定。ぜひ、行ってみて下さい。

2017年02月28日号掲載