大町1の5・TEL73―5466

 日本の食の原点の一つである麹と味噌。その老舗「いとげん伊藤元三郎商店」の支店として、三代目の西大條(にしだいじょう)亮さん(39)が二〇〇九年にオープンした。

 西大條さんは、元々が車やオートバイの整備士。同級生だった本店社主の娘と結婚したが、麹のなんたるかも知らなかった。しかし、義父が「この店も自分の代で終わり」と言い続けるのを聞くうち、「こんな美味しい味噌を食べられなくなるのは寂しい」と継ぐことを決意。整備工場を退職し、義父に弟子入りしたという。

 支店を開設してからは、本店と協力しながら、昔ながらの伝統を守って添加物ゼロの麹と味噌を製造販売している。

 九カ月寝かせた看板商品の熟成味噌「四季」は一キロ千二百八十円。発売は十二月から四月までで、半分以上が全国に発送される人気ぶり。自分好みの手作り味噌が作れる原料セットは、レギュラー(大豆二㌔、麹二キロ)三千六百円など五種類。手間はかかるが、八キロの味噌が「四季」の約四割の値段で作れることができる。こちらは通年販売だ。

 転職して十年目の西大條さん。「麹は生き物。毎回作るたびに違う。お客さんに美味しいと言ってもらうのがうれしく、常に完璧なものを求めています」。

 四年前には、市内の精米店とのコラボで旭川産黒米麹の甘酒(四百三十二円)を開発。今年は新たに同黒大豆の味噌(五百グラム八百十円)を限定販売し、こちらはすでにほぼ品切れという人気だ。

 黒大豆味噌を旬のキュウリに付けて食べてみると、なんともまろやかでやさしい味。昔はご飯と味噌だけで食事をする人もいたというが、この味噌なら納得がいく。翌日、みそ汁を作ってみたら、これも穏やかな味で極上だった。

 また、「旭川産辛い青なんばんのしょうゆ麹漬」(百十五グラム入り二個千三百八十円)もお奨め。添加物を加えず、手間暇かけたものはやはり本物だ。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 体にいいこと大好き。でも、いつも食べ過ぎているから、いいんだか悪いんだか…。発酵食品は体にいいので、朝の味噌汁は欠かさない。最近は友達に誘われて味噌を作っている。手間と時間がかかるけど、やっぱりおいしい。
 作るのが大変なのに、特売の味噌ってありえない。そんなとき、いとげんさんの「黒大豆味噌」に出合った。深い旨みがあり、しみじみおいしい。キュウリにつけて食べても、しょっぱすぎなくていい。「しょうゆこうじ漬」もお気に入り。ご飯が進むなあ。