7ノ1・TEL23-2550

 僕が住む道立旭川美術館周辺は、大型マンションもたくさんあるのに、なぜか飲食店が少ない。中途半端に三・六に近いせいだろうか。気軽に立ち寄れるお店ができないかと思っていたら、近所にこの八月、素敵な喫茶店がオープンした。しかも、日替わりランチまであるという。

 オーナーは谷内直希さん(66)。昨年、定年退職したが「生涯現役でいたい」と、もともと大好きなコーヒーの店を開くことにした。自宅の敷地内にあった事務所を改装した店内は、最大で八人しか入れない小ささ。ところが、自家焙煎室だけは店の三分の一を占めるほどの立派さだ。

 これは期待できると思ったら、注文した「ジーンブレンド」(四百円)は僕好みの味だ。「あまり苦いのは好きではなく、すっきりしたストレートな味を追求しています」と谷内さん。大きな窓からは、草花が生い茂った庭を眺められ、なんとも癒される。そして何より、夫婦と三男の泰介さん(29)の一家三人のもてなしがホッとさせてくれる。

 コーヒーは、人気の順にブレンド、ブラジル(七百十円)、モカ(四百九十円)など九種。どれも農園や品種を明示した厳選の豆だ。そして忘れてはならないのが本日のランチセット(コーヒー、サラダ付き七百八十円)。最近の喫茶店は冷凍ものや出来合いの食材を使うところが増えたが、ケーキとともに泰介さんが毎日手作りしている。この日は、ケロコさんと同じく「トマトとモッツアレラのパスタ」をいただいたが、専門のパスタ店にも負けない美味しさ。チーズケーキ(三百五十円)も、コーヒーに抜群にあう。

 まだ開店間もないとあって、コーヒー以外のメニューは泰介さんが日々開発中。これから何が登場するのか、大いに楽しみだ。

 定休日は月・火曜日。営業時間は、午前十一時から午後六時まで。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 教えてもらわないと、分からないかも。こぢんまりとした店内をのぞくと、焙煎機が見えます。期待が高まります。

 コーヒーだけかと思ったら、ランチセットもあった。行った日は「トマトとモッツアレラのパスタ」。出来るまでブレンドを飲む。好みがあるが、ここのは好き。

 そしてパスタ登場。フレッシュトマトの赤がきれい。そんなに期待してなかったけど(失礼)おいしかった。チーズケーキもあった。スフレでもなくレアでもなく、私好み。コーヒーと合うなあ。リピート決定です。

2017年10月17日号掲載