春光台3ノ5ノ2・TEL55―0438

 春光台の住宅の家並みがほぼ尽きるあたり。ナビのおかげで、やっとたどり着いた。「よく来ていただいてありがとうございます、とまずはお客さんにお礼を言うんです」と、オーナーの富永明美さん(56)。でも、ここのケーキを一口食べたら、苦労が吹っ飛ぶこと間違いなし。

 もともとは、ホールケーキ中心の予約販売専門店。でも、もっと手軽にプチケーキが食べたいという多くの要望に応えて三年前、菓子工房もある自宅におうちカフェをオープンさせた。玄関先では、プチケーキや洋菓子も販売している。「この辺は住宅地でカフェもありません。ここで、ちょっと休んでいただければ」という思いも込めた。

 ケーキ類は「できるだけ安心できる素材を使い、添加物は使わない主義」というとおり、旭川近郊の果物、野菜、出身地の興部町の乳製品などを厳選して使う。それを、すべて手間暇かけて手作りするのだから、おいしくないわけがない。

 カフェは六畳一間だが、貸し切り制というぜいたくさ。雪に埋まった庭を眺めながら、まずは人気の新商品という「ダブルチーズケーキ」(三百二十円)をいただいた。上層はハスカップジャム入りのレアチーズケーキ、下層はマスカルポーネチーズケーキ。食感の違い、酸味と甘みの絶妙なバランスなど、チーズケーキの魅力が存分に伝わってくる。

 続いて、軽食「クロックムッシュ」(五百二十円)。特注のパンの間に挟まった自家製のベーコンが、市販のものとは別物の美味しさで、たまらない。このほかにも、ハニーフレンチトースト(四百七十円)、ベーグルサンド(五百円)などの軽食がそろっている。

 カフェは予約制。赤ちゃんや子ども連れのお母さんでも、心置きなく楽しめる。営業は木、金、土曜日の午前十一時~午後六時、ケーキ予約と引き渡しは火~土曜日の同時間。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 かしのみの富永さんとは、もうずいぶん長い付き合い。ケーキ作りが本当に好き、というのが伝わってきます。気に入っているのは、全部手作りということ。それが「主義」だと言い切ります。

 カシスのムースのケーキ。ムースはあまり好きじゃないけど、ここのは大好き。ふわっと軽やかで、舌の上でカシスの香りが広がります。おうちカフェも、友達の家に遊びに行った感じ。コーヒーを飲んで、フレンチトーストとケーキを食べて…。たまに、無性に食べたくなる、そんなケーキです。

2018年02月20日号掲載