東旭川南1ノ7・TEL73―9609

タコライスなんて外道な食べ物じゃないか――と、軽蔑していた。ところが、ここで食べたらなんとおいしいこと。これは癖になりそうな味だ。

タコライスとは、メキシコ風米国料理タコスの具材を、ご飯の上にかけた料理。なんでも、沖縄で一九八〇年代に始まったらしい。ここでは、夏場限定のランチ(八百五十円)として出している。

ひき肉とサルサソース、レタス、トマトがぎっしりと敷き詰められた下に、ご飯とチーズが隠れている。口に入れると、サルサのピリッとした辛さ、トマトの酸っぱさ、チーズのコクなどが混然一体となって拡がり、スプーンが止まらない。「沖縄の人から、沖縄よりおいしいと言われます」と、店主の杉山麻衣子さん(51)。

杉山さんは旭川生まれだが、中学生のときからずっと東京暮らし。アパレル、内装、飲食業など多彩な体験を重ねてきた。旭川に戻った両親が歳を取ったこともあり、自身もUターンして、十年前、実家の敷地内に店をオープンさせた。

ログハウスの入り口を入ると、店内は杉山さんのセンスを生かしたガラス製品などの小物、人形、アクセサリーなどがずらり。

カフェだけど、ランチが充実している。タコライスのほか、焼きチーズカレー(九百円)、煮込みハンバーグセット(千円)、ビーフシチュー(千四百七十円)など。使う水は高性能浄水器で天然水に近づけ、米は市内産、シチューのビーフは国産和牛、自家製デミグラソースはじっくり一週間煮込んだものと、手を抜いていない。「安全、安心が第一」と杉山さん。

飲み物は三十種類以上用意し、ロイヤルミルクティーぷりん(四百円)などのデザートも甘さ控えめで絶品だ。動物園に行った帰り道、立ち寄りたくなる素敵なお店が動物園通りには何軒もある。このお店も、その一軒となりそうだ。

定休日は金曜日。営業時間は午前十一時~午後七時。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

お店に入った第一印象は、きれいで清潔ということ。テーブルの上板がガラスで、引出しになった中に生け花が飾られていました。二回行ったけど、水が濁ることなく、花が枯れることなく、きれいに咲いていました。

この手まめさが、料理にも表れています。時間をかけて作ったデミソース。あんみつも、すごい。寒天はもちろん、あんこと蜜も手作り。黒蜜が苦手な人のために、白蜜も用意してあるって、うれしいですよね。また、お気に入りのカフェが増えました。

2018年06月19日号掲載