豊岡1ノ6ノ5・TEL090-2053-6580

 スイーツの店に、今年もずいぶん登場してもらった。多くが、主婦や若い女性が新しく開店させた小さな店。僕は、スイーツは苦手と言うより持病であまり食べないのだが、女性の相次ぐ起業にはうれしくなる。

 今回の店も、豊岡の住宅街の一角に七月オープンしたばかり。ナビがないと、ちょっと探し当てられそうにないけど、居心地良い店内に踏み込むとそんな苦労もどこかに消える。

 切り盛りするのは、佐藤珠恵さん(53)と梨花さん(30)の母娘。二人の珠(たま)と梨(りん)の名前をくっつけて、店名にした。「みなさんのたまり場のようになりたい」との願いもあるようだ。

 珠恵さんは、三年ほど前からパンと菓子作りに熱中。ついに、娘さんも引き込み、古い民家を大改装して開店に至った。作っているのは、スイーツがケーキ、クッキー、スコーンなど、パンが日替わりで三種の常時十五種類ほど。店内で食べられるカフェコーナーもあり、子ども連れ大歓迎だ。

 一押しは生チョコケーキ(三百五十円)。口の中でほろほろととける不思議な食感が何とも言えないおいしさ。ベイクドチーズケーキ(三百二十円)、シフォンケーキ(二百五十円)、牛乳とヨーグルトを使ったマンゴ、ベリーミックススムージー(各五百円)なども手間をかけて丁寧に作っていることが伝わり、価格もお手頃だ。

 面白いのは日替わりの動物パン。訪れた日は、母ガメの上に子ガメが二匹乗ったメロンパン、ココア生地の中にクリームが入った、くまさんパン(百五十円)など。手作りならではで、子どもたちが大喜びするというのもわかる。

 「数が限られ、形も不格好なものもありますが、手間をかけることにはこだわっています。お菓子を通じてみなさんの笑顔に出会えたら、何よりのよろこび」と珠恵さん。

 定休日は日曜日。営業時間は午前十時~午後四時。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 とてもいい雰囲気のお店です。お気に入りは、パン。動物パンのかめパンには、なかなか出会えず、三回目でゲット。可愛いだけでなく、おいしいの。メロンパンの上のクッキー生地を上手に使っている。とても遊び心があるので、クリスマスにはどんなパンが登場するのか楽しみです。

 パンだけ買おうと思っていても、つい座ってケーキも食べてしまう。私は、素朴なベイクドチーズケーキ、友達は生チョコケーキが好き。お菓子を作るのが何より好きという店主の気持ちが、伝わってくるお店です。

2018年11月20日号掲載