神楽岡6ノ6ノ3・TEL67―9100

 「海のミルク」とも称されるカキは、僕の大好きなもののひとつ。これまで、サロマや厚岸、知内、寿都と食べ比べてきた。育つ海や湖の環境を反映して、少しずつ味わいが異なっている。

 先月オープンしたばかりのこの店のお薦めは、釧路町の仙鳳趾(せんぽうし)産のカキ。なんでも、厚岸湾の端に位置することから湖の流れが少しきつく、身の締まったプリプリのカキが育つという。

 さっそく、特大の二Lサイズ(一個七百五十円)を生でいただいた。身は大粒で、濃厚。甘みも強く、これはいける。サロマの鮮烈な味と、厚岸のコクのある味をいいとこ取りしたようだ。

 オーナーの山下隆久さん(35)は、FMりべーるを経てケーブルテレビ・ポテトでアナウンサーをやっていた。いまも、夏になるとスタルヒン球場で高校野球の実況中継を担当している。その山下さんに加え、料理長は朝野球の選手、もう一人のスタッフは旭川工業高で甲子園に出場した元球児。それで、こんな店名となった。店内も、市内の高校野球部のユニフォームなどが飾られ、野球ファンにはたまらない。

 料理は、産地から直接取り寄せる魚介類を中心に、揚げ物、炭焼きもの、ご飯ものと充実。訪れた日の「本日のおすすめ」メニューも、白糠産活つぶ(八百二十円)、根室産たちの天ぷら(八百八十円)、サロマ産シマエビ(九百円)、鵡川産本シシャモ天(七百二十円)など、思わずよだれが出るようなものがズラリ。締めにいただいた、ほまれつけ麺(六百八十円)は、山下さんが大好きというタイのレッドカレーをアレンジした逸品だった。

 郊外で昼から営業している居酒屋は珍しい。「地域の人たちに愛される店にしたい。特に、高齢者は昼からゆっくりしたいと思っている人が多いのではないでしょうか」と山下さん。

 不定休(年内は三十日まで営業)。営業時間は正午~午後十一時。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 野球はそんなに好きではないけれど、ここに来るとワクワクします。特に、高校野球のファンなら、一度は行く価値ありです。オーナーの山下君は、以前FMりべーるにいて、一緒に仕事をしていました。

 料理は、おいしそうなメニューがズラリ。仙鳳趾産のカキはおいしかった。お勧めの自家製しめサバもいい。白玉明太チーズ焼きは、毎回食べたいおいしさ。野球がらみのメニューもあり、ホームランパフェはどんなのか、ぜひ食べてみたい。魚介好きの私としては、リピート決定。

2018年12月25日号掲載