3ノ18・TEL32-0016

 子どものころ、大阪から東京の下町に引っ越した。大阪でよく食べていたのは、お好み焼き。でも、東京で同級生らが食べていたのはもんじゃ焼き。僕からすれば、駄菓子屋の片隅で溶いた小麦粉をこねくり回すような、気持ちの悪い駄菓子だった。


 それ以来、もんじゃは敬遠して来た。でも、東京の月島などでは人気の名物料理になっているとか。今回訪れた店でも、もんじゃはお好み焼きやザンギなどを抑えて一番の人気だという。

 注文すると、まずはボールに入った具の量の多さにビックリ。多分、僕のイメージの一・三倍はある。だしで溶いた小麦粉の中には、キャベツや天かす、エビ、豚肉などがびっしり。初めてとあって、店主の河治庄三さん(53)に作法を聞きながら焼いてもらうと、これはもう、液体状のお好み焼きだ。ビールを飲みながら、一人前をカミさんと小さなへらで突っついたのだけど、酒のつまみにも最高。こんなに幸せな気分になるなら、もっと早くから挑戦すればよかった。

 河治さんは、酒店の二代目。売り上げ不振などから店を閉め、ペットのトリミング店を経て四年前に現在の店に改装した。さぞかし料理には自信はあったのだろうと聞いてみると「全く料理の経験はありませんでした」。鉄板焼きの店にしたのも、たまたま知人が持っていた焼き台五台を貸してくれることになったからだと言う。

 それから四年。「最初のころの客には、まずかったのを謝りたい」と言うが、試行錯誤しながら料理に取り組んできた。もんじゃも、野菜嫌いだった子どもに何とか野菜を食べてほしいと、自己流で考案したのだそうだ。

 「素人なので、その分安くしています」と言うように、メニューはどれも安くてボリュームたっぷり。本日のランチは、日替わりで、とりから、ハムカツなどどれも五百円。夜も、お好み焼き六百~九百円、もんじゃ六百~八百円、煮込みホルモン、とりから、ハムカツ各五百円、とりわさ六百円など。

 開店当初はともかく、現在は“毎日通える店”がコンセプトの安くておいしい人気店なのだ。店に立つ気さくな河治さんとやさしいお母さん(83)のコンビも、訪れる客をほのぼのとさせてくれる。

 不定休。営業時間は午前十一時~午後二時、五時~十二時。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 すごいボリュームにびっくり。友達の息子さんが、ひんぱんにランチに通っていると聞いて行ってみた。

 本日のランチの「とりから」、500円なのに食べきれないぐらいある。おまけに、山盛りごはん。肉が柔らかく、衣がパリッとして何ともおいしい。

 ここは鉄板焼き、お好み焼きがメイン。お好み焼きも大きいらしい…。

 こんなにリーズナブルで大丈夫?と、お客さんは心配しているようだ。でも、太っ腹のマスターは「大丈夫」と言っている。