神楽岡11ノ1ノ3ノ15・TEL56-9209

 いつもの取材のように、カーナビに店の住所を入れる。ところが、なぜか指示されるのは、市の中心部に戻る道。何回試みても同じ。ならばと、電話番号で検索しても同じ結果。あまりの分かりづらさに、カーナビも狂ったのだろうか。勘を頼りに、三十分近くも神楽岡の住宅街を迷走する羽目になった。

 そんな苦労をかけてもこの店、行く価値がある。古い一軒家を改装した店の裏は、五百坪はありそうな鬱蒼とした隣の家の屋敷林。美瑛などの隠れ家的カフェの雰囲気だ。庭には、ニンニクやジャガイモなど店で使う無農薬野菜が栽培されている。

 まずいただいたのは、人気だというオムライス(五百円)。パプリカやタマネギが入ったガーリックライスを卵で包みこみ、ほのぼのとした美味しさ。これで、この価格とは信じられない。ハニートースト(四百円)は、自家製の食パンにこれも自家製のアイスクリーム、ハチミツを載せた一品。冷たい水出しのダッチコーヒー(三百円)を飲みながら、幸せな気分になる。

 メニューを見ると、ホットサンド(三百円)、カレーライス(五百円)コーヒー各種三百円、手作りアイス(二百円)など、どれもこれもびっくりするほどリーズナブル。迷いながらも来た価値があるというものだ。

 店主は、もともと介護の仕事をしていた佐久間知恵さん(39)。趣味で休みにカフェ巡りをしているうちに、自分でも店を持ちたいと、四年前にこの店をオープンした。

 店内では、美瑛産小麦「香麦」を原料にした手作りパンも常時十種類前後販売している。こちらも、おいしい上に格安。何度も行きたくなる店だ。 
 定休日は日曜日。営業時間は午前十時~午後六時。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 ここは絶対に通りかからない場所。探さないと分かりません。ぜひ、探してください。

 メニューを見て驚くのは、とてもリーズナブルなこと。迷ってオムライスにしたけど、500円だから期待していなかった。それが、おいしくて感激。次はカレーにしてみようかな。

 待っている間、パンが並んでいるので、のぞいてみた。これがまた、買わないでいられない。保存料を使っていない優しい味。手作りが本当に好きということが伝わってくる。また行きたくなるお店です。

2019年07月23日号掲載