神楽3ノ4ノ1・TEL63―4800

 「旭川産の羊肉」というだけでも希少、貴重。それなのに、その「ホルモン」。国内外産も含め、羊のホルモンを提供しているのは旭川ではここだけだろう。いったい、どんな味がするのか。期待にワクワクしながら、炭火で焼きあがるのを待つ。

この美味しさは初めて。ホルモン特有の臭さはまったくない。レバー(六百九十九円)、ハツ(四百九十九円)、サガリ(五百九十九円)、ガツ(三百九十九円)と次々に口に入れるが、どれもこれも旨い。僕は日頃、ホルモンをそんなに食べないけれど、これは牛・豚よりも格段に上品で、美味しいのではなかろうか。

 店主の沢田仁志さん(64)によると、このホルモンは一昨年から神居町でサフォークの飼育を始めた愛恵育場のもの。毎週一回、木曜日に仕入れているが、何分にも飼育頭数が少なく、最初は一頭、最近は二、三頭がやっと。しかも、小さな仔羊からとれる内臓はわずかで、入荷日の翌日には品切れになってしまうそうだ。でも、そんな難関を乗り越えても、ホルモン好きは絶対見逃せないだろう。

 沢田さんは、三十三歳で脱サラ。美味しいホルモンの味をたくさんの人に知ってほしいと、焼肉店で修業した後、一九九九年に独立した。

もちろん、羊以外のホルモンも鮮度抜群。ガツ(三百九十九円)、サガリ(四百九十三円)、牛レバー(同)など、独自ルートで仕入れていることから価格はお手頃で、ボリュームもたっぷり。

  味つけは、肉のうま味を最大限に引き出す塩味のみ。このほか、白菜キムチ(二百十円)、ナムル(二百六十円)、冷麺(六百八円)、石焼ビビンバ(六百八円)などのサイドメニューも人気だ。

 木をふんだんに使った店内は、ホッとする空間。家族連れなどでいつもにぎわっているのは当然だろう。

 不定休。営業時間は午後五時~十時。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 実兆に来ると、しみじみ幸せを感じます。肉が、美しいの。見ただけで新鮮、美味しいと分かります。ほぼ全部が塩味。タレはないのかと最初は思ったけど、本当に美味しい肉を味わうには塩味がいいんだと再確認。

 旭川産のサフォークもすごい。すごいとしか言いようがない。味も香りも食感も違う。貴重な内臓もある。ただ量が少ないので、入荷する木曜日か金曜日に行かなければ食べられない。

 石焼ビビンバがまた楽しみ。冷麺も捨てがたい。帰りはお腹ポンポコリンで、ああ、幸せ――。

2019年09月10日号掲載