東光5ノ2ノ4・TEL56―8545

 昔ながらのホッと落ち着ける喫茶店。コーヒーの芳しい香りが漂い、流れるジャズが心地良い。しかしこの時代、どの喫茶店も喫茶だけでは経営が厳しい。レストラン並みの食事を出す喫茶店も増えた。この店も、食事に力を入れている。食事・デザート目当てに訪れる客は、全体の八、九割を占めるという。

 そんな客に一番人気なのが、本日の和定食(八百二十円)。オーナーの三浦史恵さん(49)とお母さんが、手分けして作る魚中心の家庭の味だ。

 訪れた日はメインがサバの味噌漬け、小鉢がキノコと三つ葉のワサビ和え、カボチャと揚げとササギの煮物の二品。基本的に週替わりだが、人気が高いために週の途中で品切れとなり、中身を変更することも多いそう。

 このほか、冬季限定の鍋焼きうどん(七百八十円)、牛すきうどん(八百八十円)、牛丼、本日のケーキセット(七百五十円)など、メニューは充実している。キリマンジャロ、グアテマラなど日替わりコーヒーは四百五十円。

 実はこの店、大工である三浦さんの父が建てた建物で、四十年ほど前には三浦さんのお母さんが経営していた。その後、貸店舗にしていたが、三年前に三浦さんが引き継いで新たな喫茶店として再出発した。店名の「アルト」とは、ドイツ語で古いという意味。新装した店内のアンティークな内装も父親が手掛けてくれたそうだ。

 定休日は水曜日。営業時間は午前十一時~午後八時。二十八日~一月四日は正月休み。年明けからは、一部のメニューが少し値上がりする。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 カフェのランチや定食が好き。ちゃんと手をかけ、おいしくて、お洒落なものが多い。

 ここは普通の喫茶店。コーヒーは日替わり。食事メニューは多いわけではないが、私の好きなものを発見した。モチ入りの鍋焼きうどん。1000円ぐらいする店が多いが、ここは780円。

 さらに、牛すきうどんも発見。メニューに牛丼があるの

で、うどんに載せたら評判が良く、定番になったそうだ。これはおいしい。 和定食も、お母さんの晩御飯という感じ。一人で行って、ゆっくりできる空間だ。

2019年12月24日号掲載