永山10ノ6ノ4・TEL73―5765

 いったい、店名の由来はどこからだろう。たしか、沖縄に似たような菓子があったけど…。店は、下宿屋の玄関を入った一階にあった。ますます、分からなくなる。

 店主の犬伏弘さん(55)に聞いてみた。サン(sun)は旭川の旭、ドギー(doggy)は子犬の意味で、自分の名前にちなんだのだとか。こんな変わった店名だけど、なんと江丹別のそば粉を使った二八の本格手打ちそばの店。でも、やはりただのそばではなかった。

 例えば、そば+カツ納豆丼(八百五十円)、酸辣湯(サンラータン)そば(九百円)、ヒジキやピリ辛肉みそ、納豆などの各種チャーハンとそばのセット(八百五十円)。何ともミスマッチ。でも、犬伏さんが言う。「受け入れてくれるのに時間はかかる。でも、一度食べると皆はまる」

 犬伏さんは紋別市の出身。十年前、前オーナーから下宿屋を引き継いだ。その五年後、この食堂を開いた。下宿人十二人分の朝、昼(弁当)、夕食を賄っているが、昼の空いている時間も活用したいと、一般向けの食堂も別部屋で開くことにしたのだという。

 もともとはラーメンが中心だった。でも、定番ばかりのそばをラーメンのように進化させたいと、二年前から独創的なそば中心に切り替えた。そば以外も充実している。いただいたのは、カツナポリタン(八百五十円)。ウインナーやタマネギが入った昔懐かし鉄板焼きのナポリタンの上に、分厚いトンカツがでんと載っている。熱々、そして普通の一・五倍はありそうな驚くほどのボリューム。

 目立たない郊外の住宅地の中にあるというのに、車で遠くから訪れるサラリーマンが多いというのも、ボリュームと安さ、そして独創性を考えれば納得だ。

 定休日は日、祝日。営業時間は午前十一時三十分~午後二時三十分。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 カツ納豆そばって…。あり得ないメニューだ。でも、そこはチャレンジャーの私、注文。カラッと揚がったカツの肉の上に、納豆が入っていた。肉も柔らかい。そばつゆとも合う。文句は言ったけど、結果は「あり」だった。これは、豚肉と納豆を味わう新感覚。

 カツ納豆スパゲティもあった。和風の新しいものをと考えたという。そばも手打ち。手を抜くということが嫌いな人みたいだ。メニューにバナナジュースがあった。バナナを独自の方法で熟成させ、加えるのは牛乳のみ。これは絶品。

2020年01月14日号掲載