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 旭川で初めてのフィリピン料理店が昨年六月、買物公園近くに開店した。フィリピン料理って、いったいどんな味なのだろう。店名は、スペイン語で「マリアの台所」という意味。なぜ、スペイン語なのだろう。

 昔から愛用している料理本「東南アジアの味」(中央公論社)を開いてみた。それによると、フィリピンは一六~一九世紀にスペインの植民地支配を受けていた。そのため、料理もスペインの影響が色濃く、料理名にもスペイン語が多く残っている。このため、料理は他の東南アジア諸国のように香辛料を効かせたものは少なく、マイルドな味わいが特色なのだそうだ。

 早速、店主のレブレ・マリアさん(47)にお薦めの料理を作ってもらった。まずは、フィリピン風焼きそばの辛口ギサドンパンラット(八百円)。ちょっぴり辛いものの、全体に薄い塩味。様々な野菜と春雨が入っていて、これはおいしい。日本人の舌に合うこと間違いなし。続いて、マリアさんオリジナルというチキンバーベキュー(二串と生ビールのセットで千円)。レモングラスを隠し味に使っており、これもボリュームたっぷりで美味。日本の焼鳥より、味が芳醇な気がする。ビールが美味しい。

 マリアさんは、二十年ほどまえにフィリピンから旭川にやって来た。そして日本人と結婚し、子育てしながら飲食店などで働いた。自分の店を開くことにしたのは「きっと、みんなフィリピン料理ってどんな食べ物だろうか、と興味あるだろうから」。

 メニューには、ソーセージと目玉焼きとトマトスライス入りのロンガニサセット(八百五十円)、魚のティラピアを炒めたサンシャドティラピア(千五百円)など多彩だ。「お客さんの声を聞きながら、新メニューも次々に出していきたい」とマリアさん。みなさん、ぜひ気軽にフィリピンの味を楽しんでみて。

 定休日は日曜日。営業時間は午前十一時~午後十時。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 フィリピン料理なんて食べたことない。なんとなく想像できるけど…。でも、ボリュームがあって美味しいと聞き、行ってきました。

 とんかつセット650円に心ひかれたけど、やっぱりここはフィリピン料理。焼きそばみたいのと、チキンを頼んでみました。この焼きそば、すごく美味しい。チキンはご飯に合う味で、サラダもボリュームがある。

 マリアさんの味付けは、ものすごく口に合う。お腹いっぱいなのに、トロンバナナ巻も食べた。全メニュー制覇したいお店です。

2020年02月11日号掲載