cafe sunao・4ノ15・TEL64-6447

 一口に飲食店と言っても、最近はこれまでになかったような個性的な店があって面白い。ここも、そのひとつ。名前からも分かるように、朝から夜まで、いつ行っても食事は朝ご飯(普通・六百五十円)だけ。

 「ご飯の朝ご飯」は、ご飯、具沢山の味噌汁、二種類の小鉢、卵焼きか生卵。「パンの朝ご飯」は、トーストかバゲット、具沢山のコンソメスープ、サラダ、ヨーグルト、フルーツと、いたってシンプル。でも、よくよく聞いてみると――。

 ご飯は、東川町高倉さんの七分づきななつぼし、味噌はかあさん工房のまごころみそ、卵は比布町のかっぱの健卵、トーストはマーガリン不使用、バゲットは道産全粒粉と、こだわりだらけなのだ。

 店主の谷越亜紀さん(39)が、この店をオープンしたのは今年の正月明け。ずっと喫茶店業界で働いてきたが、五年ほど前に体を壊し、食事の大切さを痛感。以来、食の勉強を続け、念願だった〈安心して食べられる店〉開店に至った。

 朝ご飯のほかにあるのは、自慢のコーヒー(ブレンド五百円)とあまいもの。お勧めは、フレンチトースト(四百五十円)。バゲットと卵、牛乳だけで作り、白砂糖は一切使わない。これに、たっぷりのホイップクリームとカナダ産のオーガニックメープルシロップが添えられる。甘さ控えめで、とろけるような美味しさだ。さらに、本日のケーキ(四百円)もある。

 店内にはなぜか、アテネ、プラハ、チェンマイなどの現地時間を示す時計が五つ。「いま、どこの国が朝ご飯かなあ、と朝ご飯に思いを馳せて欲しいのです」と、谷越さん。

 定休日は日曜日と第一、三月曜日。営業時間は月曜から木曜日が午前七時三十分~午後六時、金、土曜日が午前十時三十分~午後十一時。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 名前が全部ひらがな。長いな…と思いながら行ってみたら、ファンになりました。素材にこだわり、作り方にもこだわり、店主はすごい人。

 ご飯とパンの朝ご飯があるけど、頼んだのはご飯。まず、お水は冷たいのか常温かと聞かれる。おかずも、卵焼きか生卵かを選べる。味噌汁は白菜、ニンジン、キノコ、揚げと具だくさん。一品一品が優しい味つけ。これで500円(少な目)は、安い。

 「少な目」ではなく「普通」にすればよかった…。作り方まで聞いてきました。毎日でも行きたいお店です。

2020年03月10日号掲載