東川町東町2ノ15・TEL080-6075-8088

 こんな小さな町なのに、個性豊かなパン屋が五軒もある。さすが、お洒落な町、東川だ。今回紹介するのは、その一軒。

月で、開店十周年を迎えた。店主は、三戸部智彦さん(54)、智子さん(53)夫妻。移住者が多い東川だけど、夫妻もそうだ。智子さんは神奈川県出身。バイクで北海道を旅行中、札幌出身の智彦さんと出会って結婚した。智彦さんはもともと、米国の大学で野生生物を専攻し、東川に住むようになったのも大雪山の自然保護監視員の仕事を得たからだった。

 今でも、人生いろいろ。もともと智子さんが趣味でパンを作っていたが、おいしいと評判が良く、智彦さんの後押しも得て開店を決意したそうだ。

お店の一番のウリは、自家製酵母でパンを焼いていること。旭川の髙砂酒造の酒かす、そして自家製のヨーグルトとレーズンから作った二種類の酵母を使い分けている。小麦粉にもこだわり、美瑛町産の香麦を使っている。

一番人気は、メロンパン(百三十円)。「ここのを食べると、他の店のはもう食べられないと、お客さんから言われます」と智子さん。僕はメロンパンをそれほど好きではない。でも、そこまで言われると、食べてみよう。うん、なるほど。外はかりかり、中はもちもち。甘すぎず、これはおいしい。

営業日は、まだ暗い午前三時から準備を始め、焼くのは約三十種類。フォカッチャ(百十円)、石臼挽全粒粉入り食パン(三百三十円)、酒かす酵母のバターロール(八十円)、くるみぱん(百十円)など、どれもおいしく、そして安い。午後になると、品切れになるパンも多く、予約して取り置いてもらうのが確実だ。

 初めに紹介したように、町内にはハード系、米パン、蒸しパンなどいろいろなパン屋がある。ドライブがてらパン屋巡りをするのも楽しそうだ。

 定休日は日、月曜、祝日。営業時間は午前九時~午後五時。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 ここに最初に行ったのはオープンしたとき。探して行ったら、普通の家の庭の玄関先。地味な感じ…。でも、素朴なパンの美味しさと夫妻の感じの良さで、何回か足を運んだ。

 久しぶりに行ってみたら、進化していた! パンの種類もかなり増え、価格はリーズナブルのまま。小型のパンなので2個や3個は食べられる。

 私が好きなのはメロンパン。そしてフォカッチャチーズ。チーズの香りとモチモチの食感は、食べ始めたら止まらない。また行って、全種類制覇するか。

2020年03月17日号掲載