東川町東11号南4・TEL090-6992-0131

 なんだか、快適な別荘に招かれた心地良さ。広々とした敷地の前を忠別川の清流が流れ、庭に据えられたいくつものバードテーブルにはアカゲラ、ヤマガラなどの野鳥が次々に姿を見せる。その上、小さなログハウス造りの店内は、何てゆったりして落ち着くこと。

 オープンしたのは二〇一五年。前回紹介したパン店「まめや」と同じく、店主の岩淵亜夕子さん(47)も、移住者だ。東京出身で、結婚したご主人の転勤で旭川へ。そこで東川がすっかり気に入り、現在地を購入してレストランを始めた。東川の魅力は何だったのだろう。「静かな町だけど、町が生きている感じがする」と、岩淵さん。

 目指すのは「可能な限り安い値段で、ガッツリ食べてもらうこと」。食材は東川と周辺産にこだわり、自分で手作りするのがモットーだ。そんな意気込みを象徴するのが「がっつりスモークドチキンランチ」(千二百円)。道東産の骨付きモモ肉を、十日間もの時間をかけてじっくり仕込み、炭火で燻製にした逸品。皮はパリパリ、肉は味が濃厚で、フォークなんか使っていられない。手に持って、かぶりつくのがお勧め。添えられたサラダの量も半端ではない。でも、なにせ手間がかかるので、ない日もあるのでご注意を。

このほか、中身は店主の気分次第という手作りホワイトソースのドリア(千円)、じっくり煮込んだドライカレーのチーズ焼き(同)など、どれもこれもおいしそう。

実は岩淵さん、シカ撃ちのハンターでもある。今冬だけでもう五回は猟に行ったそうだ。今月末まではシカ肉料理も用意している。ちなみに、訪れた週は「えぞしか肉の麻婆豆腐」(千二百円)だった。どんな味がするのだろう。東川へのドライブを兼ねて、ぜひ行ってみてください。

 定休日は水、木曜日。営業時間は午前十一時三十分~午後四時。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 前に食べた味が忘れられなくて…。じっくり時間をかけて作ったスモークドチキン。シンプルな味だけど美味しい。ナイフとフォークではなく、手づかみで食べたい。
 パンが合うと思ったけど、このチキンは、ご飯にも合います。我がまま言って、ご飯を少しもらい、上にのせて食べたら最高でした。
 まだ食べていないけど、ドリアも絶対に美味しいはず。友達は、このドリアは今まで食べた中で一番だと言っていた。お店の雰囲気もとてもいい。
 東川のカフェって、お洒落なだけでなく、温かい。

2020年03月24日号掲載