豊岡6ノ2ノ1・TEL73-7778

 麻婆豆腐がたまらなくおいしい、という評判のこの店。前から行きたいと思っていた。

 「まっすぐで一笑懸命な店になりたい」と、西村孔二さん(39)が店を開いたのは十年前。「当たり前のことを当たり前にするだけ。シンプルが一番おいしい」と言う西村さん。でも、聞いてみると、とにかく手がこんでいる。

 例えば、看板メニューの麻婆豆腐(八百円)。ラー油から山椒油、甜麺醤(てんめんじゃん)など調味料はほとんど手作り。具材と合わせると、十二種類も入っている。とにかく、調味料や基本のスープを作るのが生きがいで、調味料専用のプレハブ小屋を建てたほどなのだ。

 香り豊かで他では食べられない味、と客が絶賛するこの麻婆豆腐。残念ながら、新型コロナウイルス問題で現在は夜の営業を停止しているため、再開を待つしかない。

 そこで今回のお勧めは、三月から始めたランチメニュー。いただいたのは担々麺。旭川で出す店は少ないそうで、僕も初体験。中国四川省発祥の辛みを利かせたひき肉、ザーサイの細切りなどをのせた麺料理。「混ぜれば混ぜるほどおいしい」との助言に従って、ひたすら混ぜる。ようやく口に入れると、練りごまのこく、ザーサイの独特の酸味、自然な無化学調味料が重なり合って、深いふかい味わい。とにかく、おいしいの一言だ。

 こんがり揚がったザンギ(七個七百八十円)も、本当にジューシー。この値段でこの量、すごい。ランチメニューはこのほか、中華そば(八百二十円)、濃厚!鶏白湯(とりぱいたん・千円)、知床ポークの肉丼(八百六十円)などがそろう。一部はテイクアウトも受け付けている。「うちのランチは片手間ではない。おいしさを知ってもらって、再開したら夜も来てほしい」と西村さん。

 ランチは、水~日曜日の午前十一時三十分~午後二時。六月以降は、夜営業を再開(火~日曜日の午後六時~十二時)。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 「やっと来てくれた」と、マスターが言った。私はお酒を飲めないし、豊岡は家から遠いのでなかなか行けなかった。

 でも、ランチを始めたと聞いたので、早速行ってきました。ランチのメニューはそんなに多くないけれど、珍しくかなり迷う。鶏白湯か担々麺か。中華そばもおいしそう。

 迷った末、担々麺に。あまり出している店はないし、ピリッと辛くて、あっという間に完食。お腹いっぱいになり、ザンギはお持ち帰りにした。夜も再開したら、誰か誘って行ってみよう。

2020年05月19日号掲載