東光5ノ2ノ2・TEL37-8000

 こんなにも絶品のハンバーグの店があったとは。聞くと、あのミシュランガイドの最新版(2017年)でも、三千円以下の低価格でおいしいものが食べられる店として認定されたのだとか。うーん、知らないことは恐ろしい。

 ランチメニューに用意されているのは、一番人気の温玉のせ照り焼きソース(千七十三円)から和風ゴーダチーズ(千百三十六円)など九種類。これに、季節の気まぐれハンバーグとして、甘酸っぱい梅ソース(千二百八十円)など二種を加えて全部で十一種類にもなる。

 店主は栗澤雅宏さん(40)。興部町のファームレストランなどで修業した後、八年前にこの店をオープンした。市内にはハンバーグをメインにした店がほとんどなかったことから、ハンバーグに絞ったそう。でも、どこにでもあるハンバーグではない。目指したのは「北海道の農畜産物をできる限り使い、おいしいものをよりおいしく、食べてもらえれば絶対に納得してもらえる」ハンバーグ。

 原料は、筋や脂がほとんどない道産牛のモモ肉、知床産グリーンポークのモモ肉。これに、コクと旨味を加えるため、道産豚の良質な背脂を少々、あめ色になるまで炒めたタマネギ、道産牛乳、つなぎに道産生パン粉と卵を使っている。時間はちょっとかかるけど、注文されてから成型し、焼き上げるのもこだわりだ。

 いただいたのは和風おろしハンバーグ(千七十三円)。一口食べて驚いた。なんという肉の滋味あふれるおいしさ。付け合わせの野菜が、また半端ではない。オーブンで蒸してから揚げたポテト、蒸したタマネギなど、どれも調理にひと手間かけた野菜が、たっぷり五種も付いている。家ではちょっと真似できないおいしさだ。ハンバーグは通常が百五十㌘、倍の三百㌘はプラス四百八十円とリーズナブルなのもうれしい。

 定休日は水曜日と第三火曜日。営業時間は、昼が午前十一時三十分~午後二時三十分、夜が午後五時三十分~八時三十分。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 久しぶりにハンバーグを作って、けっこうおいしくできた。私、天才かも。

 いつも混んでいるこのお店。コロナの影響なのか、並ばずに入れた。注文してから成型するので、厨房から形を整えるペタペタという音がする。そして、登場するハンバーグは、同じハンバーグでも、私の作ったものとは別物で、レベルが違う。中から肉汁がジュワッと出てくるのは当たり前。何が違うのだろう。

 メニューには、使っている食材の産地も全部書いてある。こういうこと1つひとつが、おいしくしているのだろう。

2020年06月16日号掲載