東旭川北1ノ8ノ2・TEL56-5641

 豚の角煮は、隣家のご主人カマちゃんが大好き。時々、ご相伴に預かったりする。ところが、ここの角煮はいったい何なのだ。長さが三十㌢近い巨大な塊。聞くと、四百㌘もあるという。それなのに、小鉢二つ(この日は、マーボー春雨と棒棒鶏)が付いた定食で九百九十円。驚いた。

 さっそくいただいてみる。オオッ、柔らかい。甘辛さは控えめで、僕好み。ご飯が進むこと、進むこと。女性客のほうに人気があるというのもわかる。郊外まで足を延ばしても、角煮ファンには絶対見逃せないだろう。

 「生き残るために、他店と同じではしょうがないでしょ」と、店主の小松伸也さん(41)。巨大なだけでなく、豚肉を丁寧に下処理し、焼き目を入れて旨味を閉じ込めてからゆっくり煮るなど、こだわりもたっぷり。

 開店したのは、コロナ騒動が続く七月一日。時期が時期だけに迷ったというが、「いつか自分の店を持ちたい」という長年の夢を、奥さんとともに実現させた。店は、築六十年の小さな古民家。中には古いオルガンなどが置かれ、天井の碍子(がいし)とランプがなんともノスタルジック。昭和の時代にタイムスリップしたようだ。

 さて、もう一品は一番人気という日替わりの欲張り弁当(九百九十円)。うれしいことに、これにも豚角煮が入っており、ほかにも人気のから揚げ、春巻き、小鉢など店の美味しさが詰まっている。大きなから揚げは、モモ肉を自慢のたれに付け、地元産の米粉を使っている。外はカリッと、中はジューシーでおいしい。

 唐揚げ定食(八百九十円)、チキンカツ弁当(同)、カレイの煮付定食(八百五十円)など、どのメニューもすべて手作りで、ボリュームたっぷり。豚の角煮は、予約するとお持ち帰り(六百八十円)もできる。ぜひ、味わってみて。そのうち、隣家にもお土産に持っていこう。

 定休日は月曜日。営業時間は午前十一時~午後二時、午後五時~同八時。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 東旭川に美味しいお店を見つけました。

 ここは、当麻に移転した「和のみ」があった場所。古い建物だけど、中は落ち着いた雰囲気で、懐かしいオルガンやレコードプレーヤーを見つけて盛り上がったりして。

 私は色んなものを食べたいから、気まぐれ欲張り弁当を。運ばれてきたら、思わず「ワオッ」と声が出てしまったほど、本当に欲張り。ご飯のおかずになるものばかり入っている。

 友達はカレイの煮付定食。味付けもいい。ご夫婦でやっていて、接客もいい。また行かなくちゃ。

2020年08月25日号掲載