東光1ノ1ノ2・TEL76-1229

 豆腐は、炭水化物制限食をしている僕にとって、なくてはならないものだ。三日に一回は食べる。きちんとした、おいしい豆腐を食べたいばかりに、フィールの地下食品売り場まで足を延ばし、足寄町の寄せ豆腐を買う。これが絶品のおいしさなのだ。

 ところが、この店では熱々出来立て豆腐(五百円)を食べられるというではないか。なんという幸せ。どんぶりに入った湯気を立てる豆腐は、一般的な豆腐でも寄せ豆腐でもない。とろとろとしてクリーミー。ぶつぶつと気泡が立ち上ってくる。大豆の甘さが、しみじみと伝わってくる。

 店主の渡部剛央さん(43)によると、四年前に現在の店に移転して以来の人気メニュー。選りすぐった九州や道産の大豆を毎日豆乳にし、にがりを加えただけ。シンプルだからこそ、美味しい。ほかに、ざる豆腐、名物!豆腐の明太子ソース焼き、揚げ出し豆腐(各五百円)などもそろう。豆腐好きにはたまらない。

 でも、おいしいのは豆腐だけではない。熊本直送馬刺し(六百八十円)、創作串揚げ(八十~三百五十円)、比内地鶏もつ煮(五百八十円)、熊本の天草大王、愛知の名古屋コーチン、比内地鶏の鉄板焼き(各五百八十円)、越後もち豚のロースステーキ(九百五十円)など、全国各地のおいしい食べ物が並ぶ。しかも、安い。

 「お酒をゆっくりと飲みながら、素材にこだわった味を楽しんでほしい」と渡部さん。メニューを見ると、特製出汁巻き玉子(六百八十円)には〈忙しいときにはお断りする場合があります〉とあった。ふわふわの出汁巻き玉子は、付きっ切りで作らないとこげる。きちんと作らなければという渡部さんの熱意が伝わってくる。

 飲み放題(千四百八十円)もある。日本酒は、その日によって銘柄も値段も違うものが出てくるそう。今度は取材ではなく、カミさんを運転手に飲みに来よう。

 不定休。営業時間は午後五時~午前零時。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 前から気になっていたお店に、やっと行けた。行って正解、美味しかった!

 ご飯が大好きな私が、1番うれしかったのが釜炊きご飯。最後に出汁をかけて食べるお茶漬けが最高だった。

 もう1つ気に入ったのが、できたての手作り豆腐。大豆の香りがいっぱいで、豆腐は大豆で作られているというのが伝わってくる。豆腐の明太子ソース焼きも、お代わりしたいくらい美味しかった。

 サクサクの串揚げ、馬刺しなど、まだまだ食べたいものがいっぱいある。ご夫婦の感じも良く、リピート決定。

2020年09月29日号掲載